札幌市中学校長会　新任研修会　苦境をチャンスと捉え　学校経営の職務と課題は

（札幌市 2023-04-04付）

　札幌市中学校長会は３月２９日、市立中島中学校で新任校長研修会を開催した。本年度新たに採用された校長２２人に対し、富川浩会長（当時）は「苦しい局面に立ったときは、将来を左右する分岐点、チャンスと捉え、勇気を持って試みてほしい」と呼びかけた＝写真＝。

　研修テーマは「学校経営における校長の職務と当面する課題」。

　はじめに、富川会長が講話し①新型コロナウイルス感染症対応から学ぶ②自分が経験してきたことを校長職に生かす③代理と代行、教頭との関係④その日の研修会に参加する意味があったか、という視点―の４点に基づき校長としての心構えを説いた。

　①では、対応を進める上で、判断・決断の基準や根拠を明確に持ち、教職員と共有していく重要性を強調。“自分だったらどう判断するか”の視点で事例を読み解いたり、他の校長との交流・情報交換を行ったりすることで「校長としての判断がより確かなものとなり、自信につながっていく」とした。

　②では、先輩校長から言われた「良いところを校長が全部持っていってはいけない」との助言を紹介ながら、「自分が教員、教頭として苦労したこと、校長先生がこうだったら動きやすいのに、と思ったことがあるはず。その経験を自身の校長職に生かして」と呼びかけた。

　③では、校長不在時に教頭が学校の代表として業務を担う、という視点に立って対応する重要性を示した。「パートナーとして待つところは待って、教頭を後継者として育ててほしい」と期待した。

　④では、「手ぶらでは帰らないこと」を意識し、生徒や教職員に還元できるものを探すことを推奨した。

　最後に、危機管理に関わる用語“クライシス”“リスク”の語源に触れ「苦しい局面に立ったときは、将来を左右する分岐点、チャンスと捉え、勇気を持って試みてほしい。そして苦しいときには、校長会のつながりや教育委員会との連携を大切にして」と呼びかけた。

　このあと、校長会の各役員が校長会の組織・運営、校長の職務・学校運営などについて解説した。

(札幌市 2023-04-04付)