人権擁護委員招き札幌あやめ野中　無防備に写真送らない　全校道徳ネットモラル教室

（札幌市 2023-04-24付）

　札幌市立あやめ野中学校（大髙雅子校長）は１７日、同校で全校道徳「ネットモラル教室」を開催した＝写真＝。全校生徒２６５人が参加。札幌市人権擁護委員の日下部憲一さんが講話し、無防備に写真を送信しないことや無料通話アプリで文章を送信する前に必ず読み返すことなど、インターネットの適切な利用を呼びかけた。

　札幌市教委が推進する「人間尊重の教育」の一環として実施したもので、インターネットに関するルールやマナーを守って適正な使い方を学ぶとともに、人権侵害のない社会の実現に努めようとする意識や態度を育むことがねらい。

　また、市教委が過日作成した資料「警察と連携した“いじめ問題”への対応」と関連させ、インターネット上の投稿内容によっては脅迫や名誉棄損などに該当する可能性があることに触れた。

　日下部さんは、人権は「安心・安全・幸せ」の３つの要素があり、人が生まれながらに持っている権利であることを説明。近年社会問題となっているネットいじめは人権侵害であり「使い方を間違えると、人の心を傷付ける凶器になってしまう」とインターネットの適切な利用の重要性を伝えた。

　その上で、スマホの安全な使い方に関する教材ビデオを上映し①個人情報は大丈夫？特に写真は要注意！②リアルに会うことの危険③ネット犯罪の危険④誤解からネットいじめ―の４つのネットトラブル事例を紹介した。

　上映後に内容を振り返り、無防備に写真を送信しないこと、インターネット上で知り合った人と絶対に会わないこと、架空請求は無視すること、無料通話アプリで文章を送信する前に必ず読み返すことなどのポイントを確認した。

　生徒からは「スマホで写真を撮るとき位置情報をオフにしたり、ラインなどでメッセージを送るときメッセージを見返してから送ろうと思った」「使い方を少し間違えただけで、大きなトラブルに巻き込まえてしまうことを知った。いつも日常的に使用しているネットの使い方を見直していきたい」などの感想が寄せられた。

　全校道徳は８月にも予定しており「一歩踏み出す勇気」をテーマにいじめ防止に向けた学習を展開する考え。

(札幌市 2023-04-24付)