2地区で高校配置計画地域別検討協 公私勘案し定員調整を 通学可能圏域の定義明確化も〈渡島〉(道・道教委 2023-05-01付)
高校配置計画地域別検討協議会・渡島
【函館発】道教委は4月27日、第1回公立高校配置計画地域別検討協議会(渡島学区)をオンラインで開催した。令和10年度以降、函館市内で大幅な中卒者数減が予想されることなどを踏まえ、9~12年度の4年間で4~5学級相当の定員調整が必要との見通しを示した。意見交換では、私立高校関係者から公立高校の適切な定員調整を要望する声が相次いだ。
管内市町教委教育長や公立私立の学校関係者ら約70人が参加した。
開会あいさつで山下幹雄渡島教育局長は「急速な中卒者数の減少に伴い、高校の再編は教育環境の維持向上を図る上で避けられない課題。特色ある教育活動を推進する観点に立って検討を進めていきたい」と述べ、参加者へ忌憚のない意見を求めた。
会議では、高校教育課の岡内誠道立学校配置・制度担当課長が渡島学区の状況を説明。8年度は前年度比64人の中卒者数減が見込まれるため、公私比率を勘案して0~1学級相当の調整が必要と指摘した。
9~12年度の4年間は、304人の中卒者減が予想されるとし、4~5学級相当の定員調整が必要となる見込みを提示。うち函館市では10年度に152人、12年度に102人という大幅な中卒者減が見込まれるため、函館市および近郊市町の高校全体で再編整備を含めた検討の必要性を示した。
意見交換では、函館白百合学園高校の髙橋眞理子校長をはじめ、複数の私立高校の関係者が函館市および近郊市町の高校における国公立学校の学級減を要望。生徒数が定員に達していないにもかかわらず、学級数調整を行っていない学校があることや、全日制課程の公立高校全体で400人以上の2次募集が行われている状況を指摘し、公私比率を勘案した定員調整を考慮するよう求めた。
岡内課長は「公立の中卒者数減は公立内で調整する考えに基づき、今後も調整を行っていく。当該学校についても要望を継続していきたい」と回答した。
また「これからの高校づくりに関する指針(改定版)」では、通学可能圏域などの単位で高校配置の在り方を検討することで高校の機能維持向上を図るとしていることについて、森町教委の毛利繁和教育長は圏域の設定範囲を質問。「町によって廃線などの状況も考えられる。保護者や生徒にとっても進路選択の際に困るのではないか」などと指摘し、地域に応じた圏域の明確な定義を要望した。
このほか、本年度から全国募集を開始した福島商業高校がある福島町教委の小野寺則之教育長は、様々な出身地域の生徒が交流できる環境として得られる教育効果や資格取得に向けた新たな取組をアピール。
高校教育課の前野文繁主査は「小規模校でも多様性の確保は大切。道教委としても多様性を取り入れている学校の魅力化の変容を発信していきたい」と話した。
(道・道教委 2023-05-01付)
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