英検3級相当以上の中3 札幌50%、道44%に下降 ICT活用 全校種で広がる
(道・道教委 2023-05-19付)

 文部科学省は4年度英語教育実施状況調査結果を公表した。英検3級相当以上の中学3年生の割合は、道(札幌市を除く)が44・3%、札幌市が50・1%でいずれも下降した。一方で英検準2級相当以上の英語力を有する道内高校3年生の割合は48・4%となり全国との差を縮めた。ICT機器の活用は全校種で広がり、発話や発音の録音・録画は7~8割、遠隔交流に関しては2~3割の高校が取り組んでいることが分かった。

 調査は英語教育改善の具体的な施策の現状を把握するため平成25年度から開始。

 調査対象は都道府県・市区町村教委と全ての公立小・中学校、義務教育学校、高校、中等教育学校計3万1190校。調査基準日は4年12月1日。

▼生徒の英語力

 CEFR(セファール、外国語の学習、教授、評価のためのヨーロッパ共通参照枠)A1レベル(英検3級)相当以上の英語力を有する中学3年生の割合は道が44・3%。札幌市が50・1%となりいずれも下降した。

 CEFR・A2レベル(英検準2級)相当以上の英語力を有する高校3年生(札幌市を含む)の割合は3・0ポイント上昇し48・4%。今回新たに調査したB1レベル(英検2級)相当以上は17・8%だった。

▼英語の授業におけるICT機器の活用

 ICTの活用は高校で大きく広がり、発話・発音を録音・録画する学習を実施している割合は道が32・2ポイント上昇し74・0%、札幌市が14・3ポイント上昇し85・7%となった。

 キーボード入力による活動をみると、道が35・5ポイント上昇し88・9%、札幌市が42・9ポイント上昇し100%でいずれも全国平均を上回っている。

▼パフォーマンステスト

 小学校(第5・6学年)で「話すこと」評価のパフォーマンステストの実施率は道、札幌市いずれも100%を達成。「話すこと」「書くこと」の両テストを実施している中学校は道が98・1%、札幌市が92・1%でいずれも全国平均を上回っている。

▼CAN―DOリスト形式による学習到達目標

 「英語を使って何ができるようになるか」との観点に基づく学習到達目標の設定率は、道の中学・高校、札幌市の高校で100%となった。目標の公表や達成状況を把握している学校の割合も上昇。多くの項目で全国平均を上回っている。

▼英語担当教員の英語使用

 英語担当教師が発話の半分以上を英語で行っている中学校は、道が84・3%、札幌市が51・9%で道は全国平均より高い。高校では道が77・9%、札幌市が60・6%でいずれも全国平均を上回っている。

▼英語担当教員の英語力

 CEFR・B2レベル(英検準1級)相当以上の英語資格を取得している中学校の英語担当教員は道が43・2%、札幌市が41・7%でいずれも全国平均を上回る。一方、高校(札幌市を含む)は54・8%で全国平均より低い。

▼他校種との連携

 小学校と連携して英語教育に取り組んでいる中学校の割合は、道が99・6%、札幌市が73・2%で、道は全国平均の75・5%を上回る。

 中学校と連携して英語教育に取り組む高校は、道が29・8%、札幌市が28・6%でいずれも全国平均の19・5%を上回っている。

(道・道教委 2023-05-19付)

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