道教委　中１ギャップ未然防止運営協　学習・生徒指導充実を　３中学校区の実践を共有

（道・道教委 2023-05-25付）

　道教委は１７日、オンラインで５年度中１ギャップ問題未然防止事業第１回運営協議会を開いた。旭川市立光陽中学校区、滝川市立江陵中学校区、芽室町立芽室中学校区の３中学校区が実践発表。いじめ防止授業や自殺予防プログラム、円滑化訪問などそれぞれこれまで取り組んできた実践を発表した。

　運営協議会では、中１ギャップ問題の解消や未然防止に向け、事業の趣旨について理解を深めるとともに、各推進地域における加配教員を効果的に活用した取組等に係る実践発表会等を行い、事業の充実を図ることが目的。推進校の管理職や加配教員、各教育局、推進地域を所管する市町村教委担当者ら約１００人が参加した。

　はじめに、生徒指導・学校安全課の柳沼慶祐主査が事業の推進に向けて確認・共有したい点について説明。学習指導要領の内容に触れ「自分の良さや可能性を認識すること、あらゆる他者の価値を尊重すること、多様な人々と協働することなど、子どもたちに必要な資質・能力をしっかり身に付けさせることが中１ギャップ問題の未然防止につながっていく」と説いた。

　また、４年１２月に改訂した生徒指導提要にも触れ「学習指導要領・生徒指導提要いずれにおいても児童生徒一人ひとりが良さや可能性を発揮しながらこれからの社会を切り拓く資質・能力を育成することが求められている」と強調。生徒指導上の諸課題の改善・解決に向け、学習指導と生徒指導を分けて考えるのではなく、一体的に充実させていく必要性を示した。

　このあと、光陽中学校区、江陵中学校区、芽室中学校区それぞれが同事業における取組について実践発表。

　光陽中学校区では、学習規律の共有や授業参観交流などの学習面と、いじめ防止授業・いじめ撲滅宣言、自殺予防教育などの生活面、小中合同学習の開催や不登校・長期の欠席の対応などの特別支援の３つに分けて各取組を紹介した。

　江陵中学校区では、小中合同研修会や、校区６年生交流会、自殺予防プログラム（ピア・サポート）などのこれまでの主な取組を報告。今後、１人１台端末等を活用した不登校児童生徒の支援や人間関係を築く力の育成に向けたピア・サポートの取組の充実・交流の場の設定などに取り組む方向性を示した。

　芽室中学校区では、中学校区の担当教諭が校区小学校２校を訪問して児童へ中学校の生活や行事などの情報を提供し、小中のつながりを深める「円滑化訪問」や、乗り入れ授業・合唱交流・部活動体験などの実践を紹介した。

(道・道教委 2023-05-25付)