札幌市　児相第三者評価報告書　処遇決定に子の意見を　養護措置後の支援改善も

（札幌市 2023-06-06付）

　札幌市子ども未来局は、４年度の市児童相談所の業務に関する第三者評価報告書を公表した。保護した子どもの処遇を決める際に、子ども本人の意見を聞く重要さを認識することや、社会的養護への措置後の支援を改善することなどが求められた。

　児相の第三者評価は、外部の有識者らから、事案への対応が適切かどうかなどのチェックを受けて業務の改善につなげる取組で、令和元年の児童福祉法改正で努力義務とされた。

　市では、一般社団法人日本児童相談業務評価機関が、４年度の児相の業務について７点を評価した。

　子どもの権利擁護については「一時保護などの場面で、子どもの意見を聞く重要さが明確に意識されていない」と指摘。あらためて共通認識を持ち、子どもの意見を聞く訓練や研修の実施を検討するよう求めた。　社会的養護への措置後の子どもとの関わり方についても課題があるとして、援助内容を「機械的にではなく、子どもの理解レベルに合わせて繰り返し説明することが必要」とした。

　家族との関わりについては、分離した親子の再統合に向けた親へのアプローチが弱いとして「親へのケアに精通した心理担当の存在が欠かせない。職員の専門性の育成が望まれる」とした。

　一方で、里親の登録数や委託率が高まっており、家庭的養育の推進が向上している点や、家庭児童相談室と保健センター、児相で共通のプラットフォームシステムを導入して連携を図っている点などが高評価だった。

　児相は「結果を踏まえた業務の見直しを行うとともに、児相の体制強化を図る」としている。

　併せて一時保護所の４年度の業務についても第三者評価を行った。

(札幌市 2023-06-06付)