札幌市　６年度政府予算編成へ要望　少人数学級へ　教職員定数拡充を　ＧＩＧＡ継続的な補助など

（札幌市 2023-06-15付）

　札幌市は、６年度政府予算編成に向けて国に提案・要望する４３項目をまとめた。教育および子ども・子育て施策に関しては、少人数学級の推進に向けた教職員定数の拡充や、ＧＩＧＡスクール構想の実運用費の継続的な補助などに十分な財源措置を求める。７月にも国会議員や関係省庁に提出する。

　１３日に開いた市議会大都市財政制度・災害対策調査特別委員会に報告した。

　最重点要望は①脱炭素社会の実現に向けた支援②物価高騰対策③新型コロナウイルス禍で生じた医療体制の課題への対応―の３点。　教育および子ども・子育て関連は７項目を挙げている。

　少人数学級の推進については、小学校では７年度までに全学年で３５人学級に引き下げられるが、中学校では４０人学級にとどまり、加配定数の活用によって少人数学級を実現している現状を指摘。関係法令の改正によって教職員定数を拡充するよう求める。

　ＧＩＧＡスクール構想の推進に関しては、国の支援が１人１台端末の初期整備にとどまるなど時限的であることに言及。ソフトウエアライセンス費用など運用に係る費用の財源措置など、継続的な補助を要望する。

　学校施設整備について、暑さ対策として現在設置を進めている移動式エアコンのみでは不十分として、追加整備に向けた環境改善交付金の拡充が必要としている。また、建設産業における６年度以降の週休２日制導入によって、校舎の新改築の工期に影響があるとして、公立学校施設整備費負担金の国庫債務負担行為の年限を延長するよう求める。

　このほか、公立夜間中学の市立星友館中学校について、不登校経験者など特別な配慮が必要な生徒が多く在籍することから、安定的な教員配置や外部人材の活用に向けた財政支援が必須とした。

　子ども・子育て施策をみると、国による統一的な子ども医療費助成制度の創設を求めるほか、学校給食費の保護者負担軽減や保育士の処遇改善に必要な財源処置を要望する。

　要望書は７月にも国会議員や中央省庁に提出する。

(札幌市 2023-06-15付)