札幌市教委  札教研事業 春の研究集会・下
(札幌市 2023-06-16付)

札教研中学校社会
中学校社会科部会

◆社会参画の意欲高めて 明園中 中学校社会科部会

 中学校社会科部会の会場となった明園中学校(伊東美智恵校長)では、3年4組歴史的分野(渡辺宏輝教諭、生徒数31人)の公開授業が行われた。

 本年度の研究テーマは「基礎的・基本的な知識および技能を活用して思考・判断・表現する力を伸ばし、持続可能な社会を形成する社会参画の意欲・態度や資質・能力を育てる社会の授業の在り方~課題探究的な学習を通して」。

 前年度の成果や課題を踏まえ、研究の重点を①「思考・判断・表現」の充実を中心としつつ、「主体的に学習に取り組む態度」の指導と評価の充実をさらに深める②単元を見通した指導と評価の在り方を追究する―と設定した。

 授業は、第6章「現在に続く日本と世界」。13時間扱いの最終時に当たる本時では、終戦から独立回復まで、高度経済成長から経済大国へと至った歩み、冷戦終結後から現在までの学習を振り返り「現代の日本社会を形作ったものとして重要と考えられる出来事」を整理。グループでの交流や個人での考察を踏まえながら、自身が考える最も重要な出来事とその理由をまとめる学習に取り組んだ。

 生徒たちは、各年代における経済や産業、政治や制度、国際社会での位置付けなどを挙げながら、3~4人グループで協議。これまでの歴史とのつながりへの理解を一層深めるとともに、より良い社会を実現させるための方策について自らの考えやその理由を積極的に意見交換した。

 全体会では、厚別南中学校の小林弘明教諭が本年度の全市研究について説明。学習課題の工夫や見通しの持たせ方、学習形態の工夫などに関する研究を進めることを申し合わせた。

 このあと、指導と評価の具体、個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実に関する講話に続いて、各区の教職員が交流した。

◆運動の改善点伝え合う 真駒内中 中学校保健体育部会

 中学校保健体育部会の会場となった真駒内中学校(山根衛二校長)では、2年1組「体つくり運動 体の動きを高める運動」(齊藤研介教諭、生徒数31人)を公開。自分で考えた運動の改善ポイントを見つけ出して、工夫する活動を展開した。

 同部会は、4年度からの2ヵ年研究主題を「保健体育が“好き”になる授業づくり」と設定。「“分かる・できる・楽しい”授業づくりの充実」を重点として掲げ①課題探究的な学習とICTの効果的な活用②指導と評価の一体化から指導改善を目指す③体力向上を目指した運動プログラムの検証―の3点を目指している。

 本時は4時間扱いの3時間目。前時までに自分で考えた体づくり運動の改善ポイントを見つけ出して工夫し、他者に伝えることを目標とした。

 はじめに生徒たちは2人1組になって「体の柔軟性」「巧みな動き」「力強い動き」「動きを持続する能力を高める」を意識してそれぞれが考えた運動を披露。

 立った状態で片足を屈折させて円を描くように動かしたり、仰向けになって両脚を浮かせて上げ下げしたり、得られる効果を解説しながら手本を見せて、ペアの生徒にも実践してもらった。

 齊藤教諭は実践した感想を相手に伝えるよう指示し、他者の学習を援助する姿勢を促した。生徒たちは既習事項をもとに改善点を見つけ出し「脚の可動範囲を徐々に広げていく」「角度や回数を変えることで大きな負荷がかかりすぎないようにする」などと、具体的な解決方法をワークシートに記入していった。

 その後、再びペアで交流する時間を設けて、互いに課題改善後の動きを伝え合った。最後は6人のグループで、それぞれが考えた運動を順番につなげて一つの運動を作り上げた。

◆環境整備の実践等紹介 ちえりあ 小中合同学校事務研究部

 小中合同学校事務研究部は、市内のちえりあを会場にハイブリッド形式で開催。3グループがそれぞれ設定した研究課題について発表し、子どもの安全確保や健やかな体の育成を目指した環境整備の実践などを披露した。

 同部は本年度「子どもたちのための環境整備」「学校の“働き方改革”について」「わかりやすいお知らせを作る研究」「改築・リニューアル改修に関わる業務」の4つの研究テーマを設定し、グループごとに研究を進めている。

 今回は、4つの研究グループのうち3グループが研究発表。

 「子どもたちのための環境整備」についての発表は、採用3年目となる丘珠小学校の後藤瑞希さん、大倉山小学校の髙田菜月さん、藻岩北小学校の吉田菜摘さんの3人が行った。

 3人は、子どもたちの成長に好ましい環境整備を目指し①子どもたちの安全が確保された環境②子どもたちの健やかな体の育成に適した環境―の2点を視点にそれぞれの勤務校で実践を進めた。

 吉田さんは、安全な環境づくりを目標に、教職員へのアンケート調査をもとに実態把握に着手。「改善しやすい」「危険性が高い」を視点に課題を洗い出し、改善策を実行していく考えを示した。

 髙田さんは、全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果からソフトボール投げの記録が年々低下していることに着目し、投球に特化した環境整備に取り組むことを報告した。

 後藤さんは、日常から少しでも体を動かす環境づくりを目指し、体育館以外にも運動に親しめる場所を設ける予定だという。

 秋の研究集会までに、3校の取組を互いに確認し課題の達成度を検証する予定。後藤さんは「良かった点、改善点を明らかにし、今後に生かせるようにしたい」と述べた。

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(札幌市 2023-06-16付)

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