まちづくり戦略ビジョン戦略編案　市立高で数理・ＤＳ教育　札幌市　ＩＣＴ活用など

（札幌市 2023-06-14付）

　札幌市は、第２次まちづくり戦略ビジョン（戦略編）案をまとめた。「ユニバーサル（共生）」「ウェルネス（健康）」「スマート（快適・先端）」など分野横断的に取り組む５つのプロジェクトを設定。小・中学校におけるＩＣＴ機器等の効果的な活用や市立高校における数理・データサイエンス・ＡＩ・ＩＴ教育の推進、中高生などを対象としたライフデザインに関する学習の充実などを盛り込んだ。

　戦略ビジョンは、政策の基本的な方向性をまとめた「ビジョン編」、基本目標の実現に向けた施策をまとめた「戦略編」で構成しており、ビジョン編は昨年１０月に策定した。

　戦略編については、ことし３月にまちづくり戦略ビジョン審議会が答申をまとめ、秋元克広市長に手交。その内容をもとに市が案を作成し、１２日の市議会総務委員会で示した。

　ビジョン編で掲げた目指すべき都市像「“ひと”“ゆき”“みどり”の織りなす輝きが、豊かな暮らしと新たな価値を創る、持続可能な世界都市・さっぽろ」の実現に向け、分野横断的に施策を推進していくため「ユニバーサル（共生）」「ウェルネス（健康）」「スマート（快適・先端）１、２」「人口減少緩和」の５つのプロジェクトを設定した。

　ユニバーサルプロジェクトでは、３本柱の一つに「心のバリアフリーの浸透と誰もが自分らしく活躍できる環境の整備」を据え、学校における子どもの多様性を尊重した学びの実践など推進する。

　ウェルネスプロジェクトでは、地区図書館の役割・機能の強化、市生涯学習センターのコーディネート機能の強化などを盛り込み、生涯を通じた健康づくりや社会参加の場の充実に向けた取組を推進する。

　スマートプロジェクト１では、スマートシティの推進と人材育成・産業競争力の強化を目指し、小・中学校におけるＩＣＴ機器等の効果的な活用、市立高校における数理・データサイエンス・ＡＩ・ＩＴに関する教育の推進、英語教育の充実によるデータサイエンス人材・グローバル人材の育成などを掲げた。

　スマートプロジェクト２では、ゼロカーボンの推進に向けて、ＳＤＧｓを意識した学びの推進などを盛り込んだ。

　人口減少緩和プロジェクトでは「質の高い雇用創出と魅力的な都市づくり」「結婚・出産・子育てを支える環境づくり」「若い世代へ向けたアプローチの強化」を３本柱に据え、結婚や出産を望む市民の希望を実現するとともに、住み続けたくなる取組を推進する。全ての子どもの健やかな成長に向けて多様な学びを支える環境を充実させるほか、専門学生や中高生などに対しライフデザインに関する意識向上の取組や、地元の魅力・特色を学ぶ機会を充実させる。

　また、ビジョン編で定めた「まちづくりの分野」ごとに取り組む施策について、子ども・若者分野では、ヤングケアラーへの支援、課題探究的な学習モデルの推進など６項目を充実・強化していくと掲げた。

　６、７月にパブリックコメントを実施し、１０月ごろに策定する見通し。

(札幌市 2023-06-14付)