十分な財源措置求める　札幌市　指定都市市長会要望　教員不足対応、働き方改革

（札幌市 2023-06-16付）

　札幌市は、指定都市市長会などがまとめた６年度政府予算編成に向けて国に提案・要望する１０項目を示した（通称「白本」）。教育および子ども・子育て施策に関しては、教職員不足の対応や働き方改革の推進などに十分な財源措置を求める。７月にも関係省庁に提出する。

　白本は、大都市行政を推進する上で、国の理解・協力を得なければならない指定都市共通の事項について、指定都市市長・議長の共同提案としてまとめているもの。１３日に開かれた市議会大都市税財政制度・災害対策調査特別委員会で示した。要望事項のうち、教育および子ども・子育て関連は４項目となっている。

　教員不足への対応と働き方改革の推進については、教職調整額の見直しや新たな手当の創出など制度改正を行うよう求める。部活動指導員や教員業務支援員などの配置を拡大することで、教職員の負担軽減を図ることも必要だとした。また、いじめや不登校問題への対応として、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなどの専門職を教職員定数として算定することを要望する。

　ＧＩＧＡスクール構想の推進に関しては、１人１台端末の国庫補助を初期整備に限定せず、運用や維持、更新に係る費用も対象とするよう要請。デジタル教科書や学習アプリに係る費用やセキュリティ対策費用についても十分な財政措置を講じるよう求める。

　義務教育学校の施設整備については、建設産業の週休２日制導入の影響で工期の長期化が見込まれるとして、公立学校施設整備費負担金を２ヵ年を超える国の債務負担の設定を可能にすべきとした。子育て支援では、国の医療費助成制度を創設するなど、経済的な負担軽減のための新たな措置が必要とした。

(札幌市 2023-06-16付)