働くことについて考える授業　自分守るための知識を　過労死遺族や弁護士講話　厚労省

（道・道教委 2023-06-20付）

　労働問題に関する有識者らが講師として学校で授業を行う厚生労働省委託事業「労働問題・労働条件に関する啓発事業」について、本年度から「働くことについて考える授業」に名称を変更して実施する。授業では、過労死遺族が体験談を話すほか、弁護士が長時間労働の危険性などについて解説。学校は、社会科や総合的な学習の時間、総合的な探究の時間のほか、特別活動やキャリア教育、進路ガイダンスなどで活用する。

　厚労省では、平成２８年度から生徒・学生等に対して、働く際のルールについての理解を深めてもらえるよう労働問題に関する有識者および過労死で亡くなった人の遺族を講師として学校に派遣して行う「労働問題・労働条件に関する啓発事業」を実施。前年度は、札幌市を除く公立高校１４校、１０００人を超える高校生が参加した。

　本年度は事業の名称を「働くことについて考える授業」と改め事業を展開。遺族が過労死遺族としての体験や社会に出る前に労働に関する知識を見に付ける大切さについて講話するほか、弁護士が長時間労働の危険性と法規則などについて解説する。

　実施期間は、６年３月中旬までで、事業の利用は無料。

　授業は、中学校で、社会科（公民的分野）や総合的な学習の時間、高校において、公民科「公共」や家庭科、総合的な探究の時間、中・高校共通として、ホームルーム活動をはじめとする特別活動やキャリア教育、進路ガイダンスなどに活用できる。

　また、本年度から講義内容を収録したＤＶＤの貸し出しも始める。

　厚労省では、これから社会に出て行く生徒・学生が労働問題について理解を深め、自分を守るための知識を身に付けられるよう、各管内の学校で同事業を活用するよう呼びかけている。　

(道・道教委 2023-06-20付)