第2回全道代表高校長研各課所管事項① 来年2月に探究チャレンジ STEAM 授業改善へ研修 
(道・道教委 2023-06-20付)

 道教委は第2回全道代表高校長研究協議会(8日、札幌市内道自治労会館、12日付1面既報)で各課所管事項を説明した。生徒が取り組んだ探究活動の成果を発表する「探究」チャレンジプロジェクトについて、来年2月1日に成果発表会「探究チャレンジ・ジャパン」を開催する予定を報告。「STEAM」推進事業については、各教科等で身に付けた見方などを活用し、生徒が主体的に探究に取り組むことができるよう、授業改善セミナーを実施することや、各教科における教材や学習指導案について、研究授業・研究協議を行う授業研究セミナーを開催することを説明した。所管事項の概要を連載で紹介する。

◆高校教育課

【教育課程の編成・実施】

▼学習評価

 新学習指導要領のもとでの学習評価を円滑に実施するため、各学校においてはつぎの取組の実施をお願いする。

・評価規準や評価方法等について、学習評価の妥当性や信頼性を高めるとともに、生徒自身に学習の見通しを持たせるため、年度当初に配布するシラバスだけでなく、単元の指導と評価の計画などを活用し、学習評価の方針を事前に生徒と共有する場面を設けること

・学習評価は学習状況の把握だけでなく指導の改善に生かすものであることを踏まえ、観点別学習状況の評価に係る記録は、毎回の授業ではなく、内容や時間のまとまりごとに行うなど、評価場面を精選すること

・学習評価の妥当性や信頼性を高めるために、教員同士での評価規準や評価方法の検討および明確化を行い、校内で実践事例を蓄積および共有をすること。また、評価結果の検討等を通じた教師の力量の向上を図ること

・指導と評価の一体化の観点から「主体的・対話的で深い学び」の視点からの授業改善を通して各教科等における資質・能力を確実に育成すること

 ―各学校における観点別学習状況の評価をさらに充実させ、学習評価の妥当性や信頼性を高める観点から、評価規準や評価の観点および評価方法を記載した各教科・科目の年間指導計画等を各学校のウェブページに掲載するなどの検討をお願いする。

▼教科書採択

 各学校においては、2年12月7日付教高第2184号教育長通達「“道立学校の教科書(中等教育学校の前期課程ならびに特別支援学校の小学部および中学部において使用する教科書を除く)の採択に関する実施要綱”の一部改正について」および5年4月24日付教義第74号通知「6年度使用教科書の採択事務処理について」に基づき、適正かつ公正な選定を行っていただきたい。

 6年度使用教科書選定結果報告書の提出に当たっては、特に生徒の入学年度によって適用となる学習指導要領が異なることに留意するとともに、教科書の選定結果の報告および需要数報告の手続きなどにおいて、教育長の採択決定後に変更や追加等がないよう、各学校での確認・点検を確実に行っていただきたい。

 教科書選定は綿密な調査研究を踏まえた上で、適切に行われる必要があり、選定結果および選定理由について、保護者等に対して説明責任を果たすことが重要となることから、各学校においては、5年4月21日付教義第66号教育長通知「教科書採択における公正確保の徹底等について」に基づき、教科書選定の公正性・透明性の確保に万全を期していただきたい。

 高校等で使用する教科書の採択結果および採択理由については、昨年同様、高校教育課のウェブページに掲載する予定。

 学習者用デジタル教科書の利用に当たっては、3年3月29日付教義第1510号学校教育局長通知「学校教育法第三十四条第二項に規定する教材の使用について定める件の一部を改正する件の公布および施行等について」を踏まえた対応をお願いする。

▼6年度高校教育課程に係る届出のスケジュール

 各学校においては、前年度の指摘事項を踏まえ、5月に教育局から発出された「6年度教育課程表(A・B表)案の作成について」に基づき教育課程表を作成いただいている。

 各学校から教育局に提出いただいた教育課程表については、高校教育課で確認後、その確認した内容について各教育局を通じて各学校に連絡するので、必要に応じて対応をお願いする。

 6年度の教育課程表については、6年2月に発出する予定の「6年度高校教育課程の届出」に基づき正式に提出いただきたい。

▼公立高校・中等教育学校(後期課程)における履修と修得の分離等(カッコ内は前年度の学校数)  ▽2学期制=全日制193校(194校)、定時制34校(34校)

▽学期の区分ごとの単位修得の認定=全日制68校(65校)、定時制7校(6校)

▽卒業に必要な履修と修得の単位数の分離=全日制112校(110校)、定時制13校(13校)

▽学校外における学修の単位認定=全日制153校(155校)、定時制38校(38校)

 学期の区分ごとの単位修得の認定は、各教科・科目の授業を特定の学期に行う場合や、留学する生徒への対応などにおいて有効な方策であることから、学校の実情に即して検討いただきたい。

 履修と修得の分離についても、生徒の能力・適性や興味・関心などが多様化している実態を踏まえ、個々の生徒について個性の伸長を図る観点から検討いただきたい。

 また、学校外における学修の単位認定については、平成29年5月18日付教高第353号「高校等における学校外学修の単位認定について」で通知。生徒の実態や学校の実情等を踏まえ、特色ある多様な教育活動を展開するため、導入について引き続き、積極的に検討いただきたい。

▼教科・科目等の授業時数の確保

各学校で臨時休業等を実施した場合は、臨時休業等の間の学習内容の定着を確認した上で、可能な限り、教育課程内での補充のための授業や教育課程に位置付けない補習等の措置を講じるようお願いする。

▼道高校間連携実施要綱の一部改正

学校間連携による単位認定は、学習指導要領解説(総則編)において、生徒が履修を希望する科目等が当該生徒の在籍する課程において開設されていない場合、学校間の協議によって可能と記載されていたが、5年5月11日付教高第2184号「高校等における学校間連携等の実施に係る留意事項」で各学校に通知した文部科学省の事務連絡にあるとおり、生徒が在籍する課程において開設されている科目等であってもより専門性の高い授業や特色のある授業を履修することも可能であることが示されたことから、本道の実施要綱を改正し、5年5月25日付教高第476号「道立高校学校間連携実施要綱の一部改正について」を通知。道立学校において、実施要綱に基づき、適切に実施していただきたい。

▼5年度国語科実施科目における年間指導計画の作成

高校学習指導要領(平成30年3月告示)の国語の各科目においては「話すこと・聞くこと」「書くこと」「読むこと」の各領域の授業時数が示されており、各科目の年間指導計画を作成するに当たっては、領域ごとに示された授業時数を満たす必要がある。

 そのため、各学校において、5年度に実施する国語の各科目(必履修科目「現代の国語」「言語文化」ならびに、選択科目「論理国語」「文学国語」「国語表現」)の年間指導計画を作成する際には、各単元の領域ごとの授業時数を明示していただきたい。

 本年度も必履修科目「現代の国語」および「言語文化」の年間指導計画について、教育局への提出を各学校にお願いしているところであり、内容を確認の上、改善の必要がある学校に対しては、学校教育指導等の機会を通して個別に指導助言するので承知おきいただきたい。

▼道立高校における進路説明会の実施等

 4年9月に各教育局から各道立高校および中等教育学校に対して事務連絡を発出。各学校においては、本事務連絡および別紙「高校が実施する進路説明会等における具体的事例に対する考え方」に基づき、適切に対応するよう、あらためてお願いする。

【研修】

▼中堅教諭等資質向上研修

▽第Ⅰ期

・オンデマンド形式による研修=夏期休業までの0・5日、(2講座)

▽第Ⅱ期

・オンデマンド形式による研修=8~9月

・遠隔形式による研修=10~11月の1・5日

・遠隔形式による研修=12月~6年2月の0・5日

▽教職大学院公開授業による研修

・オンデマンド講座=8月~12月

▽学校計画研修

・課業期間中の20日間

各学校においては、第Ⅰ期、第Ⅱ期および教職大学院公開授業による研修と学校計画研修との連続性を重視し研修対象者へ指導いただきたい。

▼初任段階教員研修

▽1年次第Ⅰ期

・オンデマンド形式による研修=夏期休業までの0・5日、5講座

・遠隔形式による研修=集合または遠隔研修の実施までの0・5日、4講座

・集合または遠隔形式による研修=6~7月の1日

▽1年次第Ⅰ期

・オンデマンド形式による研修=冬期休業までの0・5日、3講座

・集合または遠隔形式による研修=(遠隔形式による研修の実施までの0・5日、4講座

・遠隔形式による研修=10~12月の1日

▽2年次=5~12月の0・5日

▽3年次

・オンデマンド形式による研修=冬期休業までの0・5日、2講座

・遠隔形式による研修=10~12月の0・5日

▽4年次

・オンデマンド形式による研修=冬期休業までの0・5日、4講座

・遠隔形式による研修=8~12月の1・5日

▽5年次

・オンデマンド形式による研修

・冬期休業までの0・5日、3講座

・教職大学院公開授業(オンデマンド講座)=11~12月の2日予定

・遠隔形式による研修=10~12月の0・5日

【各種事業等について】

▼S―TEAM教育推進事業

 5年4月20日付事務連絡によって、前年度の「探究チャレンジ・北海道」でユーチューブライブ配信した動画を引き続き視聴できるようにしたことについて連絡。ついては、教員および生徒に対し、積極的に視聴するよう働きかけ、各学校における探究活動の充実のために活用をお願いする。

▽「探究」チャレンジプロジェクト

「総合的な探究の時間」や「課題研究」など、生徒が教育課程内で取り組んだ探究活動の成果発表を各地域で開催。主管教育局において実施要項を作成し、各学校に通知。

各地域での成果発表会で上位に入賞した学校等による全道規模の成果発表会「探究チャレンジ・ジャパン」を6年2月1日に実施予定。本年度は、対象学年を全学年とすることとしており、午前は前年度同様にポスターセッションによる成果発表を行い、午後は道内の高校生と他都府県の高校生が互いに探究活動の成果を発表・交流を行う予定。近日中に通知するので確認していただきたい。

▽「社会との共創」推進プロジェクト

本年度の実施要項について、5年5月25日付教高第470号で各学校に通知。アントレプレナー教育型、地域課題解決型およびグローバル型では、夏季休業中にオンラインセミナーを開催。参加を希望した生徒が、大学教授等による講義やワークショップを踏まえ、企業や地域、地球規模の課題の解決に向けて、企業や大学、自治体等と関わりながら探究活動に取り組む。科学技術活用型(学校活動型)は、科学技術を活用して社会問題の解決につながる課題研究を募集する。興味・関心のある生徒に対し積極的に参加するよう働きかけていただきたい。

いずれの類型においても来年1月に審査を行い、上位に入賞した学校を「探究チャレンジ・ジャパン」に派遣。

▽「STEAM」推進事業

・授業研究セミナー・授業改善セミナー

各教科等で身に付けた見方・考え方を活用して、生徒が主体的に探究に取り組むことができるよう、授業改善に向けたセミナーを実施。

国語、数学、地歴・公民、理科、外国語(英語)については、道立高校教諭、指導主事・研究研修主事、大学教授等からなる授業研究チームを編成し、オンラインで教材や学習指導案の検討を重ねた上で、研究授業および研究協議を行う授業研究セミナーを実施。

授業研究セミナーについては、全てのセミナーでオンライン配信することとし、他ブロックで開催するセミナーへの参加を可能とすることによって、研修機会の充実を図る予定。

保健体育、情報、家庭、芸術(音楽)については、優れた教科指導力を有する教員を教科指導スペシャリストに認定し、実践発表等を行う授業改善セミナーを実施。

各地域が主体的に授業改善の取組を推進することができるよう、本セミナーの成果を各管内の教科研究会等と共有したいと考えている。自校の教員はもとより、管内教科研究会等の担当教員に対し、積極的に本セミナーに参加するよう働きかけをお願いする。

・外部連携支援事業(学校活用型)

5年4月24日付事務連絡によって、道立高校における探究活動をより一層推進するための、外部講師の招聘に係る謝金を支援することについて連絡。

本事業の活用方法をまとめたリーフレットのほか、高校教育課のウェブページに掲載した前年度の報告書を参考にして、本事業の積極的な活用を検討していただきたい。

・外部連携支援事業(四者連携活用型)

北海道、札幌市、北海道大学、株式会社ニトリホールディングスの四者の連携協定に基づき、IT・データサイエンスに関する講師を派遣。

5年5月11日付教高第355号で通知し、同日付事務連絡で㈱ニトリホールディングスにおける出前授業の資料を送付。本事業についても積極的な活用を検討していただきたい。

▼地域医療を支える人づくりプロジェクト事業

▽メディカル・キャンプ・セミナー

 8月8、9日にオンラインで、大学教授等による特別講義、数学および英語の学習アドバイスおよび講義、医大生とのグループワーク等の内容で行う予定。

 各学校は、医学部医学科への進学を希望する生徒(2年生)の参加について、配慮いただきたい。

▽高校生メディカル講座、医学部生の招聘事業および地域医療体験事業

5年4月28日付教高第279号で医進類型指定校9校および協力校6校を指定。また「高校生メディカル講座」「医学部生の招へい事業」および「地域医療体験事業」の実施について、それぞれ各教育局長宛てに通知。

地域医療体験事業について、前年度は原則中止としていたが、本年度は地域、学校および医療機関の実態等に応じて実施できるよう通知。

これらの取組については、指定校および協力校において、教育局と連携し、医育大学、各(総合)振興局、医師会等の協力を得て、内容の充実を図っていただきたい。特に、医学部医学科への進学を希望する生徒の参加については、特段の配慮をお願いする。

▽サポートチームの派遣

5年5月26日付教高第492号で、各教育局長あて通知した。学校の取組状況を踏まえ、有効に活用していただきたい。

▼科学の甲子園北海道大会

 本年度の科学の甲子園北海道大会については、4年ぶりに1次予選および決勝大会を実施する予定。

 1次予選は、10月29日、全道10会場(札幌北高校、札幌開成中等教育学校、室蘭栄高校、函館中部高校、旭川西高校、稚内高校、北見北斗高校、帯広柏葉高校、釧路湖陵高校、根室高校)で筆記競技を実施。

 決勝大会は、12月2日、札幌啓成高校を会場に、筆記競技・実技競技(観察・実験や工作など)を実施。

▼病気療養中等の児童生徒に対するオンデマンド型の授業に係る調査研究事業

 病気療養中等の生徒の教育機会の確保については、つぎのとおり制度改正されてきた。

▽平成27年の学校教育法施行規則の一部改正によって、27年4月から、高校等において、インターネット等のメディアを利用して、同時双方向で行う授業が実施できることとなり、病気療養中等の生徒に対して、当該授業を行った場合は、出席扱いとすることができるようになった

▽2年には、病気療養中等の生徒に対して行う当該授業について、修得する単位数の制限の緩和が図られた

▽5年4月から、高校等に在籍する疾病による療養または障害のため、相当の期間学校を欠席すると認められる生徒に対し、メディアを利用して授業を実施する場合、同時双方向型の授業を原則とするが、当該生徒の病状や治療の状況、医師等の意見等から、配信側の授業時間に合わせて同時双方向型の授業を受信することが難しいと学校が判断した場合に限り、本人および保護者の意向を踏まえてオンデマンド型の授業を行うことが可能となった

 道教委では、文科省の「ICTを活用した障害のある児童生徒等に対する指導の充実事業(病気療養中等の児童生徒に対するオンデマンド型の授業に係る調査研究事業)」の委託を受け、病気療養中等の生徒に対するICTを活用した同時双方向型およびオンデマンド型の授業の効果的な実施方法や評価方法等についての実践研究を行うとしており、5年5月31日付教高第538号によって実施要綱等を通知した。希望する学校は、関係書類を教育局を通じて提出いただきたい。

▼高大連携による「Hokkaido Study Abroad Program」

▽道立高校生の道内大学への派遣・交流事業

 6月19日に道立高校生30人を北海学園大学、10月11日から10月13日に36人を北海道大学に、それぞれ派遣する予定。本年度は、前年度を大きく上回る33校から95人もの応募があった。

▽道内大学留学生の道立高校等への派遣・交流事業

 北海道大学留学生の道立高校への派遣を実施予定。

▼高校生交換留学促進事業等

▽カナダ・アルバータ州

 本年度は11校から14人の派遣候補生徒の推薦があった。7月以降、事前研修会の実施や渡航関係書類など、留学生の派遣に向けた手続きを進める。

▽中国・北京市

 本年度は、北京市との高校生交換留学促進事業に代え、道立高校生の中国への派遣事業を実施予定。

 道教委と北京市教委とが教育分野の協力に関する覚書を交わしていることから、訪問先を北京市および近郊の学校や名所旧跡として調整中。今月中に募集通知を発出する。

▽その他の国・地域

 アメリカ・ハワイ州やニュージーランドとの交換留学の年度内の実施に向け、引き続き調整を行っており、準備が済み次第、募集通知を発出する。

▼道立学校教育活動応援事業

 5年度2定補正予算において、探究的かつ魅力的な教育活動を充実させるため、クラウドファンディングにより寄付を募集し、道立学校の生徒による地元名産品等を利用した商品開発などの特色ある教育活動を実施していただく事業費が措置される予定。

本年度については、1事業当たり30万円の事業を3事業程度実施することを想定しており、今後、各道立学校に対し事業実施希望を照会させていただくので、検討をお願いする。

▼道立学校ふるさと応援事業

本事業では、ふるさと納税を活用し、道立学校が作成した事業計画に基づく特色ある教育活動を支援しているが、本事業における事業計画を作成している学校は92校、道立学校全体の36%にとどまっている。

本年度から、本事業の事業計画作成を促進するため、別途定める基準で事業計画を作成している学校に対し、予算の範囲内で追加配分を行うことを検討しており、各学校における教育活動の一層の充実を図るためにも、本事業の事業計画を作成していない学校においては、積極的な事業計画作成の検討をお願いする。

【海外からの教育旅行の受入れについて】

 海外の高校生等が日本を訪れた際に学校を訪問する「教育旅行」について、5月8日以降に新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行したことを踏まえ、受け入れ機会の拡大について、積極的に検討するようお願いする。

【修学旅行の実施について】

修学旅行については、5年5月2日付教義第99号通知「修学旅行等の実施について」によって、適切に実施していただきたい。

5年4月21日付事務連絡「海外修学旅行を実施する場合の手続きについて」によって、海外への修学旅行および研修旅行等について、あらためて手続きを確認した。「海外修学旅行を実施する場合の手続きについて」を踏まえて実施していただきたい。

【就職指導について】

▼5年3月公立高校卒業者の就職決定状況(3月末現在道教委調査)

▽就職希望生徒数=5543人(前年同期6196人)

▽就職決定生徒数=5438人(前年同期6017人)

▽就職未決定生徒数=105人(前年同期179人)

▽就職決定率=98・1%(前年同期97・1%)

▼就職未決定の生徒の状況等

道教委の調査によると、0回受験の生徒の理由について、約4割の生徒が「アルバイトをすることにした」、約2割の生徒が「自分が何をしたいのかはっきりしなかった」「希望した職種がなかった」と回答。

 各学校においては、4月に配布した「就職指導実践事例集」を活用するほか、各教育局に配置されているキャリアプランニングスーパーバイザーと連携し、効果的な就職指導の改善・充実を図るようお願いする。

【キャリア教育】

▼キャリア教育の充実

社会的・職業的自立を促し、社会や職業への円滑な移行を図るため、キャリア・パスポートの活用やインターンシップの実施など、学校の教育活動全体を通じて組織的かつ計画的にキャリア教育を実践するようお願いする。

 特に進学希望者が多い普通科高校においては、アカデミック・インターンシップを含むインターンシップの充実をお願いする。

▼働くことについて考える授業(労働問題・労働条件に関する啓発授業)

 労働問題に関する有識者等が講師として学校で授業を行う、厚生労働省委託事業「働くことについて考える授業」について、5年5月24日付教高第467号によって通知した。前年度は、事業名を「労働問題・労働条件に関する啓発授業」として実施しており、札幌市を除く公立高校14校、1000人を超える高校生が参加。

 各学校では、これから社会に出ていく生徒が、労働問題や労働条件の改善等について理解を深め、自分を守るための知識を身に付けることができるよう、積極的な活用をお願いする。

【産業教育】

▼商品販売会

ことし3月には、道教委が主催して専門高校5校が開発した10商品を集め、静内農業高校と千歳高校の生徒の協力のもと「地学協働活動(高校生チャレンジ)inどさんこプラザ」を開催し、来場者からは地域と協働した高校生の取組について好評を得た。

知事公約では「高校生が開発した商品の販売をどさんこプラザなどで支援する」ことが示されており、道教委としても課題を整理し、継続した販売会を実施することを検討しているので、協力をお願いする。

【地域連携校・地域連携協力校】

4年度、地域連携校・地域連携協力校については、27組が連携を行った。

出張授業や遠隔授業については必ず行うこととはなっていないが、4年度については、地域連携校の教育環境の充実のため、12組の学校で出張授業を実施していただいたことに感謝。

5年度は、天塩高校と留萌高校、弟子屈高校と釧路江南高校が新たに加わり、29組で連携を実施している。連携委員会を開催するなどして、連携の充実に向けた協力をお願いする。

【道高校遠隔授業配信センター(T―base)】

本年度については、3学年にも授業を配信しており、31校に遠隔授業を配信している。

次年度以降の受信科目を決める際には、5年3月に改正した「道立高校における遠隔授業配信機能集中化に関する基本的枠組みについて」を踏まえ、検討すること。また、検討の際には、事前に年間行事計画や時間割をシミュレーションするなどして1年間の見通しを持っていただきたい。

【道立学校間連携】

 道立学校における学校間の連携に関し、教員が相互に連携する学校に出向いて授業を行うことによって、教育課程の維持充実を図り、教育活動の一層の推進に資することを目的に実施。ことし5月末現在、10組20校(前年度10組20校)の申請があった。

 前年度末に「道立学校間連携実施要綱」を改正し、遠隔授業による連携も可能としており、教員数が少ない小規模校においては、T―baseを活用した遠隔授業の実施と並んで魅力化につながる有効な手段の一つであり、地域連携校や離島の高校以外の高校でも活用できる事業である。

 平成29年度から、特別支援学校も含めて道立学校間の連携が可能となっている。制度について、年度途中からの申請も可能であり、近隣校間で相談するなど活用していただきたい。

(道・道教委 2023-06-20付)

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