石狩3市で新しい学び授業力向上事業 学校全体の授業改善へ 推進教員中心にTTや端末活用
(道・道教委 2023-06-16付)

 道教委が本年度から始動した「新しいかたちの学びの授業力向上推進事業」にかかり、石狩管内では千歳市、石狩市、北広島市に推進教員が配置されている。千歳市では、チーム・ティーチング(TT)による指導や、ICTの効率的な活用による授業改善に取り組む。石狩市では、取組振り返りシートや通信等を活用し、教員の授業力向上等を推進。北広島市では、前年度に授業改善シートを活用していたことを踏まえ、国語・算数の授業においてTTに携わりながら学校全体の授業改善、ICTの効果的な活用を進める。各市で定例報告会を2ヵ月に一度の頻度で実施し、教員の授業力向上や学校全体の授業改善を目指す。

 同事業は“子どもたちの未来を拓く”学びのトランスフォーメーション推進事業の一環。ICTの各分野で豊富な経験と高い専門性を有する推進教員を小・中学校に配置し、配置校や域内の連携校を巡回する。1人1台端末を活用した「主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善」「家庭学習の充実」を事業の重点に置いている。

 管内の配置校と連携校として、千歳市では推進教員配置校に千歳小学校と緑小学校、連携校に北栄小学校、支笏湖小学校、高台小学校を指定。石狩市では、配置校に双葉小学校と花川南小学校、連携校に南線小学校、紅南小学校、当別町立とうべつ学園を指定した。北広島市の配置校は西部小学校と大曲小学校、連携校は西の里小学校、大曲東小学校、緑ヶ丘小学校。各市に2人ずつ推進教員を配置した。

 千歳市では、千歳小、緑小に勤務する2人の推進教員が自校を含む配置校2校と連携校の北栄小、支笏湖小、高台小の3校を巡回する。各校は国語および算数の授業において、TTでの指導を実施。資質・能力の確実な育成に向けた対話的な学びの充実やICTの効果的な活用による授業改善に取り組む。

 今後、定例報告会では授業公開や各校の進捗状況を確認し、成果や課題について共有するための協議を予定している。

 石狩市では、双葉小、花川南小に勤務する2人の推進教員が、自校を含む配置校2校と連携校の南線小、紅南小、とうべつ学園の3校を巡回。推進教員は、TTでの指導に加えて、取組振り返りシートや通信等を活用することで、教員の授業力向上や学校全体の授業改善に努める。

 5月24日に開催した第1回定例報告会では、花川南小が端末を活用した国語および算数の授業公開について紹介したほか、各校の管理者や市教委の担当者、推進教員等が同事業の趣旨について共通理解を図った。

 北広島市では、西部小と大曲小に勤務する2人の推進教員が自校を含む配置校2校と連携校の西の里小、大曲東小、緑ヶ丘小の3校を巡回する。

 前年度は、授業評価の取組として、推進教員が授業改善シートに授業の良かった点や改善点を記入し、授業者が成果や反省点を記入する取組を行ってきた。これを受けて本年度は、推進教員が国語、算数の授業の中でTTに携わりながら学校全体の授業改善とICTの効果的な活用を図る。

 石狩局の菅原巧教育支援課長は「地域全体の学力の底上げに向けて、本事業を効果的に活用していただきたい」と話し「推進教員のTTやICTの効果的な活用の取組で、本年度の石狩管内教育推進重点である対話を意識した全ての子どもが活躍できる授業へ改革できるようつなげていければ」と展望を語った。

(道・道教委 2023-06-16付)

その他の記事( 道・道教委)

倉本教育長 インターハイ開催へ 高校生応援に協力を ラピダス進出 学びの契機に

教育長記者会見ラピダス進出  道教委の倉本博史教育長は16日、道庁別館で記者会見に臨んだ。開催まで1ヵ月に迫った5年度全国高校総体(インターハイ)に向け、多くの人々が来場して高校生を応援してくれるよう協力を要請。また、...

(2023-06-20)  全て読む

第2回全道代表高校長研各課所管事項① 来年2月に探究チャレンジ STEAM 授業改善へ研修 

 道教委は第2回全道代表高校長研究協議会(8日、札幌市内道自治労会館、12日付1面既報)で各課所管事項を説明した。生徒が取り組んだ探究活動の成果を発表する「探究」チャレンジプロジェクトについ...

(2023-06-20)  全て読む

働くことについて考える授業 自分守るための知識を 過労死遺族や弁護士講話 厚労省

 労働問題に関する有識者らが講師として学校で授業を行う厚生労働省委託事業「労働問題・労働条件に関する啓発事業」について、本年度から「働くことについて考える授業」に名称を変更して実施する。授業...

(2023-06-20)  全て読む

道教委が補正予算案発表 業務支援員を追加配置 新規6事業 CFで商品開発

道教委教育費予算案表  道教委は16日、22日開会の2定道議会に提案する5年度教育費補正予算案を公表した。政策的経費を盛り込む肉付け予算で補正額は75億5614万円。新規事業は6事業で、クラウドファンディング(C...

(2023-06-19)  全て読む

道 2定補正予算案 半導体産業人材育成へ 保育所送迎対応支援員も

 道は16日、22日開会の2定道議会に提案する5年度補正予算案を発表した。補正額は2776億円で、当初予算と合わせた一般会計総額は3兆1516億円となる。  子ども・子育て関連では、子ども...

(2023-06-19)  全て読む

T―base 5年度夏期講習 地元で夢実現へ23講座 学力向上、入試対策など

 道高校遠隔授業配信センター(T―base、阿部穣センター長)は、5年度夏期講習の配信日程をまとめた。7月26日を皮切りに10日間の日程で、基礎学力の定着や土台づくり、大学入学共通テスト対策...

(2023-06-16)  全て読む

SDGsプロジェクトキックオフ 周りの意識変えていこう 留萌局 探究学習推進へ

 【留萌発】留萌教育局は7日、オンラインでSDGs・ゼロカーボンプロジェクトキックオフイベントを開催した。留萌局職員や管内高校6校の生徒ら約30人が参加。探究学習の推進に向けて活動のスケジュ...

(2023-06-16)  全て読む

病気療養等児童生徒の教育保障へ 道教委が調査研究開始 遠隔教育の活用方法等検証

 道教委は、本年度から文部科学省の委託を受け、病気療養中等の児童生徒に対するオンデマンド型授業に係る調査研究事業に取り組む。遠隔教育による学習支援を希望する生徒が在籍する道立高校等を研究推進...

(2023-06-16)  全て読む

道教委 5年度地域連携校・協力 地域連携校 天塩、弟子屈追加 全29組で学校間連携

 道教委は、5年度地域連携校・地域連携協力校を決定した。地域連携校に留萌管内の天塩高校と釧路管内の弟子屈高校を新たに指定。協力校と連携し、出前授業や、他校の生徒との遠隔交流などを進め、教育課...

(2023-06-14)  全て読む

架け橋プログラム 開発に着手 佐呂間町がモデル地域に 6年度試行へ 7月に初会合

 【網走発】佐呂間町教委は本年度、文部科学省の「幼保小の架け橋プログラムに関する調査研究事業」の委託先である道教委からモデル地域としての指定を受けた。事業期間は5、6年度の2年間。5歳から小...

(2023-06-15)  全て読む