最適解と説明責任を　檜山教頭会　学校経営研修会　坂井檜山局指導監講話など

（関係団体 2023-06-21付）

檜山教頭会学校経営研修会

　【函館発】檜山教頭会（桜庭一宏会長）は１７日、今金町民センターで学校経営研修会を開いた。会員ら約３０人が参加し、第１６次研究主題「檜山の特色を活かした魅力ある教育活動の推進と教頭の役割」のもと、講話や分科会、研修会を実施。教育課題に対する理解を深め、教頭としての職能向上や識見を高めた。分科会のレポート発表では、代表者６人を１１月の第５５回教育研究厚沢部大会の提言発表者として選出した。

　開会あいさつで桜庭会長は、コロナ禍で得た学校対応の知見を共有。「学校行事への対応など、校長のリーダーシップのもと、学校裁量の判断が迫られてきた」と回顧した上で、最適解と説明責任の重要性を強調。「全ての人の賛同を得ることは不可能だが、納得や許容を得る最適解や丁寧に説明する努力をいとわない学校の誠実な姿勢は保護者や地域の信頼につながったはず。今後も校長の判断や実行を補佐する参謀役、教職員の英知を結集させるリーダー役として、アフターコロナを見据えた学校づくりに取り組んでいきたい」と力を込めた。

　来賓祝辞では、藤嶋泰道檜山教育局長の代読で出席した坂井顕也義務教育指導監、今金町教委の中山秀悦教育長、檜山校長会の笠松靖史副会長が登壇。笠松副会長は教頭職の働き方改革の推進に向けた校務分掌の調整などを求め、実り多き研修となるよう祈念した。

　講話では、坂井義務教育指導監が国の教育改革の動向や道教委が目指す方向性について解説。１人１台端末を効果的に活用した個別最適な学習の必要性について述べたほか、チーム学校としての組織機能に向け、心理的安全性を土台とした学校運営を求めた。

　分科会では①子どもの発達②教育環境整備③教職員の専門性―の３つの研究課題に分かれて会員一人ひとりがレポート発表。うち③では教職員の指導力育成や学校運営参画意識校長に関する研究内容を披露した。

　厚沢部町立厚沢部小学校の稲船志津子教頭は「カリキュラム・マネジメントで人材育成するための教頭の関与」を協議課題に設定し、学習指導要領や教育課程、教育評価を教職員に教科等横断的な視点で身に付けさせるための取組を説明した。

　道徳教育の全体計画を教科等横断的な視点で組み立てることや、教育課程の評価を踏まえた改善など教務主任や主幹教諭、研究部長に対する具体的な働きかけを発表。学校教育目標「自己効力感の育成」に向けて必要な教育活動の改善策を考える「教職員の提案力育成」に向けた実践を共有した。

　各分科会では、それぞれ代表者２人を選出。計６人を１１月に実施予定の研究大会発表者に決定した。

　第５５回教育研究大会の提言発表者はつぎのとおり。＝敬称略＝

▽第１分科会「子どもの発達に関する課題」＝大滝英樹（江差町南が丘小）、木村一夫（厚沢部町鶉小）

▽第２分科会「教育環境整備に関する課題」＝茅森輝男（厚沢部町館小）、能代淳司（せたな町北檜山中）

▽第３分科会「教職員の専門性に関する課題」＝甲谷美映子（江差町江差北中）、稲船志津子（厚沢部町厚沢部小）

(関係団体 2023-06-21付)