帯農高 新規就農プログラムが始動 農家ではなく農業家に 経営課題解決へ専門家講義
(学校 2023-06-21付)

帯農高・新規就農プログラムモデル
帯農高・新規就農プログラムモデル

 【帯広発】帯広農業高校(佐藤裕二校長)が十勝総合振興局およびYUIME㈱(東京、上野耕平社長)と協働して本年度から始動した「新規就農プログラムモデル」の研究開発において、15日に同校で初回講義が行われた。上野社長が講師を務め、農業経営者が抱く課題の解決に向けた多様な支援事業を紹介。経営の知識を習得するための採用事業にも触れ、農業への興味・関心から一歩先に進んだ“新規就農への道”を示した。

 研究開発には、農業と生活者の接点となる企業等7社が農林水産省の補助事業を活用して設立した「農業の魅力発信コンソーシアム」として協力。農業の人材派遣や農作業受託等を支援するYUIMEが、十勝総合振興局と共に同校生徒に対して“職業としての農業の魅力”を発信する。農業科学科と酪農科学科1・2年生を対象に、道内外の農業経営者による各科7回の講義を予定している。

 この日、YUIMEの上野社長が初回講義を担当した。

 上野社長は、起業までの道のりや同社の推進事業などを説明。東京に本社を構え、九州および沖縄に支社を持つ同社は、データプラットフォーム事業と人材支援事業の2本柱で、農林水産業の従事者が抱える困り感の解消につなげていることを示した。

 農業の課題として、農業経営者の高齢化が進み、担い手不足が著しい現状を挙げた。一方で、人手不足をきっかけに魅力的な働き方をかなえ、自分らしいビジネスの在り方を模索する農業経営者の存在を説き「農家ではなく、農業家へ」と意識の持ち方を伝えた。

 また、同社が来春から始める、採用した農業高校および大学出身者を農業経営者に育成する取組を紹介した。

 3年間の現場経験によって自分に合う作物や地域、規模を明確化し、人材管理・機器運用の技術を習得し、その後2年間で農業法人との連携プログラムや自社農場での講習を経て、起業計画を作成。計5年間で進める新規就農への過程を示し「農業には経営の知識が重要」と同社で働くことの利点を伝えた。

 生徒から「活動の原動力」を問われると、環境変化を求めて高校卒業後に海外留学したことを振り返り「自分を変えるためには挑戦するしかない。新しいこと、困難なことにチャレンジする生き方を続けたい」と回答。

 「理想の農業」に関しては「自分らしく生きて、収益があり、安全・安心で喜ばれる品物をつくること」とし、農業経営者のブランディングの必要性を説いた。

(学校 2023-06-21付)

その他の記事( 学校)

校庭等の環境改善 旭川西神楽中で地元企業

西神楽中でタカハタ建設が環境整備  【旭川発】旭川市立西神楽中学校(林真千子校長)で15日と20日の2日間、市内の建設企業タカハタ建設㈱(谷地元憲次社長)が環境整備ボランティア活動を行った。グラウンドの転圧や駐車場の区画線塗...

(2023-06-26)  全て読む

建設企業に感謝状 下川商高 校庭等整備で

下川商業高・谷組へ感謝状  【旭川発】下川商業高校(濱下昌也校長)は9日、地元の建設企業(株)谷組に感謝状を贈呈した。グラウンド・テニスコート整備のボランティアに対するもの。  同社は日頃から、地域住民と一体となっ...

(2023-06-23)  全て読む

OKAERe南ひやま学で2年生 ゼミ形式で探究活動 SDGsと地域課題解決 江差高

江差高校南檜山学  【函館発】江差高校(古谷尚校長)が総合的な探究の時間に取り組む地域学「OKAERe南ひやま学」が2年目を迎えた。本年度は新たに2年生がゼミ形式で探究活動を開始。江差町内に障がい者支援施設「...

(2023-06-23)  全て読む

新しい歴史と伝統築いて 函館南茅部中 開校記念式典

南茅部中開校記念式典  【函館発】函館市立南茅部中学校(山口哲也校長)は17日、同校で開校記念式典を挙行した。全校生徒84人をはじめ、教職員や来賓ら約140人が出席し、同校の新たな船出を祝った。  同校はことし...

(2023-06-23)  全て読む

リーディングDX指定の旭川緑が丘中 ICTで働き方改革を 新保氏招き校内研修配信

緑が丘中・リーディングDX校内研修  【旭川発】文部科学省の新規事業「リーディングDXスクール事業」の指定校、旭川市立緑が丘中学校(貞弘真悟校長)は12日、同校で校内研修を開いた。学校DX戦略アドバイザーで認定NPO法人ほっか...

(2023-06-22)  全て読む

瀧澤校長中心にるるもっぺPJ 生徒の多様な進路実現 3学科横断の選択履修等 留萌高

庁内公募校長・留萌高校瀧澤校長るるもっぺプロジェクト  【留萌発】留萌高校(瀧澤共喜校長)は、生徒一人ひとりの夢の実現に向けて本年度から3ヵ年計画で「新しい伝統校の構築~るるもっぺプロジェクト」に取り組んでいる。5年度道立高校長の庁内公募で決定...

(2023-06-21)  全て読む

道教大 新たな教師の学びへ 研修コンテンツ開発着手 情報教育など5つ 6年度公開

 道教育大学は本年度、「新たな教師の学び」に対応したオンライン研修コンテンツの開発に着手する。情報教育、外国語教育、いじめ防止など5つの教育課題に対応する内容を想定しており、文部科学省が6年...

(2023-06-16)  全て読む

建設企業が扇風機寄贈 美唄聖華高の環境整備へ

美唄聖華高扇風機受取  【岩見沢発】美唄聖華高校(蓮見知之校長)は7日、美唄市の建設企業・(株)岸本組から扇風機の寄贈を受けた。地元のスポーツや教育活動に貢献したいという同社の思いから長年継続されている取組。蓮見...

(2023-06-16)  全て読む

建設企業に感謝状 美深町教委 学校環境整備で 仁宇布小中で遊具塗装など

山崎組美深町教委から感謝状  【旭川発】美深町教委は12日、町内の建設企業・(株)山崎組への感謝状贈呈式を執り行った。地域貢献活動の一環として実施した美深町立仁宇布小中学校の校庭遊具塗装、駐車場ライン引きに対するもの。...

(2023-06-16)  全て読む

防犯看板設置で感謝状 旭川永山西小 建設企業に

旭川永山西小感謝状贈呈  【旭川発】旭川市立永山西小学校(千葉昌之校長)は9日、同校で市内の建設企業・北進開発(株)の地域貢献活動に対し感謝状を贈呈した。防犯上有効な5つの行動を示す標語「いかのおすし」の看板を設置...

(2023-06-15)  全て読む