道小　校長退職者アンケート　役付再任用希望２７％に　再任用・再就職は８３％

（関係団体 2023-08-21付）

　道小学校長会（森田智也会長）は５年度校長退職者の動向等に関するアンケート調査結果をまとめた。勤務の現状は「再任用」「再就職」を合わせて８２・９％。役付再任用制度を希望した割合は２７・３％となり、前年度の１２・２％から２倍以上に上昇した。再就職先は教育委員会関係、幼稚園・保育所、高校や大学の講師など教育の専門性を生かす職場が８８・０％を占めている。

　アンケートは札幌市を除く道内の公立小学校のうち、ことし３月３１日に退職した１４９人を対象に実施。回答率は８２・６％。

　退職前の希望は「再就職」が４５・０％、「再任用」が２６・０％、「役付再任用」が１４・５％など。

　現在の勤務状況は「再就職で勤務中」が５６・１％、「再任用で勤務中」が２６・８％、「その他」が４・１％。前年度との比較では再就職の割合が上昇、再任用が下降している。

　実際に役付再任用制度を希望した割合は２７・３％で前年度の２倍以上に上昇。任用枠の拡大を求める声が強まっているが、希望しなかった理由として「管内に制度がない」「責任の重さと給与や処遇」など制度的な問題もある。「後進に道を譲る」との声もあり、道小は「統廃合による学校数減少を踏まえ、教頭の校長採用枠確保を重視していることもうかがえる」と指摘する。

　再任用の勤務内容は「校長・教頭」が６・１％、「学級担任」が４２・４％、「教科専科やＴＴ」が１５・２％、「初任者指導時間講師」が２１・２％など。「退職人材活用事業による任用」はなかった。

　再就職の勤務内容は「教育委員会関係（アドバイザー・補導員など）」が５３・６％、「幼稚園・保育所」が１３・０％、「社会教育関連施設（公民館・児童館など）」「高校・大学の講師」がいずれも８・７％など教育の専門性を生かす職に就く割合が高い傾向が続いている。

　再就職の週当たりの勤務時間は「３７時間以上」が４４・９％で最も多い。給与は月額１５～２０万円以内が全体の５３・６％を占める。

　再任用・再就職に関する満足度をみると「満足」が４４・６％、「普通」が４５・５％、「不満」が９・９％。退職時の不安解消のため「再就職に関する情報提供」「年金支給までの健康保険の延長」が重要という回答が多く「退職前の全教員を対象に再任用、再就職のためのセミナーに出席させる制度の整備が必要」との声もあった。

(関係団体 2023-08-21付)