北音教　夏季研修会　“学ぶ”授業への転換を　常時活動切り口に考察

（関係団体 2023-08-22付）

　道音楽教育連盟（北音教、足立教会長）は７日、札幌市立資生館小学校で夏季音楽教育研修会を開催した。「“教える”から“学ぶ”授業へ」をテーマに「歌唱、器楽」「音楽づくり・創作、鑑賞」の２コースを開講。参加した教員らは、２学期以降の授業に生かそうと、楽しみながら学ぶ方策について考え合った。

　道内小・中学校の教諭約７０人が参加。「歌唱、器楽」コースは筑波大学附属小学校の平野次郎教諭、「音楽づくり・創作、鑑賞」コースは道教育大学札幌校の石出和也准教授が講師を担当した。

　冒頭、足立会長があいさつ。本年度の研修テーマを紹介し「児童生徒一人ひとりの豊かな学びや健やかな育ちにつなげてほしい」と述べ、２学期以降の実践のさらなる深まりを期待した。

　参加者は、各コースに分かれて受講。うち平野教諭は「み～んなでわかっていく、楽しんでいく音楽科の授業」と題して、筑波大附属小で取り組んでいる実践を例に、日々の授業で生かせる「常時活動」の一端を紹介した。

　平野教諭は、実際の授業において「音楽は指示や説明が多くなる傾向だが、子どもと一緒に具体例を示してあげることが大切」と強調。手本を示す際、一緒に取り組む児童生徒を指名するときに「“分かる子”“できる子”と呼びかけず、“手伝ってくれる子”として募ることが重要」と述べ、子の前向きな気持ちを引き出す必要性を指摘した。

　「“教える”から“学ぶ”」常時活動へと転換するため、ゲーム性のある取組を取り入れることの有効性を指摘。音楽に合わせた手拍子やじゃんけんゲームを実践しながら「ゲームは音楽との相性が良い。どの子も楽しめる視点が必要」と解説した。

　ゲーム性を取り入れた常時活動を展開したあと、全員で合唱。体育館に広がって一人ひとりが順に歌いつなぐ活動を体験させながら「自らの声を大切にしたい。子どもがその曲の良さに気付くことが大切」「一人ひとりに、発声する勇気や安心感を与えてあげることが重要」などと説明した。

　このあと、授業づくりについて考えるグループワークを展開した。

(関係団体 2023-08-22付)