札幌市　６年度大都市財政要望案　地方行うべき分野　全額税源移譲を　義務教育費国庫負担金など

（札幌市 2023-08-21付）

　札幌市は１７日、市議会大都市税財政制度・ＤＸ推進調査特別委員会で指定都市市長会などがまとめた６年度大都市財政の実態に即応する財源の拡充についての要望（通称・青本）案について報告した。税制・財政関係で計９項目の要望事項を整理。国庫補助負担金に関しては、義務教育費国庫負担金、子どものための教育・保育給付交付金など、地方が行うべき分野について全額税源移譲することを要望している。

　青本は、中長期的な観点からの税財政制度の改正に関して、大都市行政を総合的に進める上で不可欠な税財政の充実を図ることを目的に、指定都市市長会などが昭和３８年から取りまとめているもの。例年１０、１１月に各政党をはじめ、内閣府や総務省、財務省などに要請している。

　６年度に関しては重点要望事項を設定せず、税制関係で５項目、財政関係で４項目の計９項目を要望事項として挙げた。

　財政関係では、国庫補助負担金の改革などを要望。

　国と地方の役割分担の見直しを行った上で、国が担う分野については必要な経費全額を国が負担するととともに、地方が行うべき分野については全額税源移譲するよう求めている。税源移譲すべき主なものとして、子ども・子育て支援交付金、義務教育費国庫負担金、子どものための教育・保育給付交付金などを挙げた。

　国庫支出金対象事業における総事業費のうち、本来あるべき補助基本額と実際の補助基本額に大きな乖離があることを指摘。５年度予算による概算をみると、小・中学校校舎建設費で１５８億円、小・中学校屋内運動場建設費で５１億円の超過負担が発生している。

　このため、税源移譲されるまでの間、地方が必要とする国庫補助負担金の総額を確保するとともに、その算出の際には「事業実施のために必要かつ十分な額を基礎とし、超過負担を解消すべき」と訴えている。

(札幌市 2023-08-21付)