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リーディングＤＸスクール学習会　ＩＣＴ活用の実践発表　ポートフォリオ活用など　札幌市教委など
（札幌市 2023-08-22付）

リーディングＤＸスクール夏季学習会

　文部科学省のリーディングＤＸスクール事業の指定校・札幌市立中央小学校（冨波修校長）、中央中学校（秀島起也校長）と札幌市教委は１７日、中央小でリーディングＤＸスクール夏季学習会を開催した。ＩＣＴを活用した５つの実践について、両校の教諭７人が発表。児童生徒情報を一元管理できるシステムの活用、生徒の活動のポートフォリオとしての活用など、様々な取組を発信した。

　文科省の新規事業であるリーディングＤＸスクール事業について、札幌市からは中央小と中央中で構成する中央中学校区、発寒小学校、発寒東小学校、西陵中学校で構成する西陵中学校区の２中学校区５校が指定されており、ＩＣＴを活用した教育実践の創出などに取り組んでいる。

　今回、中央中校区で取り組んでいる実践を広く発信し、普及を図ろうと夏季学習会を実施。市内外から教職員ら総勢９８人が参加した。

　実践発表では、中央中の佐藤史人教諭、中央中の久根口修平教諭、中央中の小野竜星教諭と中央小の佐藤剛志教諭、中央小の日田洋吏教諭と斉藤剛教諭、中央小の中里彰吾教諭が登壇し、５つの実践を紹介した。

　佐藤教諭は「児童生徒情報データベースの運用」について発表。

　マイクロソフトオフィスのアプリケーションの一つであるアクセスを活用し、児童生徒の基本情報、行動や相談履歴、実態などを一元管理できるシステムを構築した取組を紹介した。

　また、個別の教育支援計画も同様のシステムから作成することが可能。目標を選択肢の中からプルダウン選択できるなど、個別の教育支援計画の作成に不慣れな教員にも易しい設計となっている。

　システムのメリットについて佐藤教諭は、多面的に生徒の様子を見取ることができること、小中の教員間で同じ視点・観点による児童生徒支援が可能となることなどを挙げた。

　一方、個人情報保護などの観点からどこまでの情報を中学校に引き継げるかが今後の課題となってくることから、連携の仕方について検討していく考えを示した。

　久根口教諭は「個別最適な学びを創出するデジタルお道具箱とデジタルギャラリー」について発表。

　児童生徒の学習に有益なウェブサイトや資料をまとめたリンク集「デジタルお道具箱」、生徒一人ひとりの活動の記録や学習の成果物などをまとめたポートフォリオとなる「デジタルギャラリー」について紹介した。

　デジタルギャラリーについては、生徒の３年間の様々な記録や資料を蓄積していき、その中から情報を整理してキャリア・パスポート（紙媒体）にまとめていくことを想定しているという。

　このほか、小野教諭と佐藤教諭が「義務教育９年間を見通した情報活用能力育成」、日田教諭と斉藤教諭が「デジタルシティズンシップ教育の推進」、中里教諭が「空間を超えた協働的な学びの創出～ＰＢＬの可能性の模索」について発表した。