札幌真栄小 教育実践発表会 表現を楽しみ認め合う 国語や図工など15授業公開
(札幌市 2023-10-13付)

真栄小第11回教育実践発表会

 札幌市立真栄小学校(山本秀夫校長)は9月29日、同校で第11回教育実践発表会を実施した。研究主題「表現を楽しみ、認め合う授業を目指して~学びとつながる 人とつながる」に基づく、15授業を公開。授業終了後の分科会では、忌憚のない意見交換が行われた。

 問題解決に向かい、自分の考えを伝えるとき、真剣で生き生きとした表情を見せる児童たちの姿から、研究主題を設定。言葉・体・作品で考えを伝え、互いの違いを良さとして受け入れ、共感的に学び合う授業を目指している。

 また、研究の視点には①表現意欲が続く授業の仕掛け②子どもがつながるための教師の関わり―の2点を設定。授業の展開や板書構成などを定めた独自のチェックポイント「真栄チェック」を設けている。

 この日は、国語、算数、図画工作、体育、外国語、道徳、特別支援の7科目15授業を公開した。

 うち6年1組図画工作「光の形」(二ツ山かおる教諭、児童数38人)では、メラミンスポンジを用いて作品を作り、光による見え方の変化を捉えながら工夫して表現する活動を行った。

 前時までに、様々な形に切ったり組み合わせたりしたスポンジに光を当てて見え方を比較。4人グループごとの制作テーマを設定し、光の効果を生かして作りたい形を決めて、制作活動を開始していた。

 6時間扱いの4時間目となる本時は、それぞれの作品を仕上げ、工夫した点を発表し、同級生の作品を鑑賞した。

 冒頭、二ツ山教諭は、周りにたくさん飾り付けた作品に光を当てて「なぜ光が届かないのだろう?」と呼びかけた。光を通すための穴や空間の重要性を示し、制作上のヒントを示した。

 また、試行錯誤を重ねるための手だてとして、教室内には参考となるかたちを集めた「試してみれ場」、他の材料や道具を置く「使ってみれ場」、複数個ののぞき穴を空けたブラックボックスを用いて光り方を確認する「光らせてみれ場」を設けた。

 児童たちは、作品が自立するように土台を工夫したり、葉っぱを表現するためにスポンジを切り抜いて形を調整したり、それぞれの目的に応じた活動に励んだ。

 「犬のぼうけん~家までの道」をテーマとした2班では、家の頂点まで光が通らないという課題をグループ全体で共有。同級生の意見から着想を得て、作品をストローで浮かせる工夫を施した。二ツ山教諭は「ナイスアイデア!」と声がけし、クラス全体に工夫を紹介した。

 光らせてみれ場では、制作過程の作品をクラスメートたちと4方向から鑑賞することで、自然に意見を交流する場面があり「作戦変更だ」と次々にアイデアを思い浮かべる姿が見られた。

 制作終了後は、教室内を暗転し、それぞれの作品に光を当てて鑑賞。児童たちは歓声を上げ「イメージどおりに光る作品を作ることができた」と振り返った。

 分科会では、図画工作科の研究について説明したあと、授業について意見を交換した。授業に協力した大倉山小の森實祐里教諭は「匠」という言葉になぞらえて、多様性があり、工夫であふれた、みんなに見てもらいたい授業だったと講評。

 助言者の東尚典・旭小学校長は、普段の学級経営を踏まえ「ストーリー性を引き出す、安心感のある授業環境だった」と述べ、評価方法や軍手装着を徹底させる呼びかけについて、改善の余地があるとした。

(札幌市 2023-10-13付)

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