道教委が高校生防災サミット　地域防災の担い手に　災害時支援など理解深める

（道・道教委 2023-11-01付）

高校生防災サミット

　道教委は１０月３０日、ＴＫＰ札幌ビジネスセンター赤れんが前で北海道高校生防災サミットを開催した。全道各地の高校生約１９０人が集い、地震、津波、火山災害など地域の課題に対応した特色ある防災教育の実践を発表。各学校が今後取り組む「防災アクションプラン」について意見を交わし、地域防災の担い手となる高校生の役割について理解を深めた。

　同サミットは、令和元年度の「世界津波の日」高校生サミットの成果を受け継ぎ３年度から開始。自他の命を守る資質・能力を身に付け、地域の防災活動や災害時の支援活動における高校生の役割について理解を深めることを目的とする。

　集合・オンライン形式で道内の５０高校から約１９０人が参加。道外からは岩手県立大槌高校の生徒が参加した。

　開会に当たり倉本博史教育長は、共に学び、考え、行動する仲間としての絆を深めるよう期待し「サミットで得た成果を学校、地域、そして全道へと発信し、防災・減災に向けた取組を全道に広げてほしい」とあいさつした。

　続いて上磯高校、苫前商業高校、伊達開来高校、奥尻高校、霧多布高校、大槌高校の生徒が実践発表。上磯高は防災行動の時系列を整理した「マイタイムライン」の作成、家庭科における災害食の実習など教科をつないだ防災教育を紹介し、地域をつなぐ主軸としての高校生の役割を提起した。

　苫前商業高は、町民の被害を減らすため独自に作成したクマのハザードマップ「クマップ」を発表。伊達開来高は有珠山の噴火に備えた校内防災地図の作成を発表するなど地域の特性に応じた実践を取り上げた。

　つぎに道教育大学釧路校の境智洋教授が「地域防災の担い手として高校生に期待すること」と題して講演。災害を自分事として捉え、主体的に関わるポイントや実践例を伝え、地域をつなぐ高校生のネットワークに期待を寄せた。

　最後に各学校でまとめた防災アクションプランについて協議。生徒会主導による避難体制の整備、交通障害について理解を深める宿泊研修など様々な企画を共有した。

　参加生徒は「自然環境の違いで自分たちでは思い浮かばなかった斬新なアイデアを知ることができた」「高校生が避難所を運営することもある。自分事として考えていかなくてはならない」などと感想を述べ、新たな学びや気付きを得た様子だった。

(道・道教委 2023-11-01付)