北広島西部中で授業改善セミナ　　ＩＣＴ活用し作戦工夫　スペシャリスト教員が授業　道教委

（道・道教委 2023-10-31付）

中学校授業実践セミナー

　道教委は２３日、北広島市立西部中学校で中学校授業実践・改善セミナーを開催した。同校のスペシャリスト教員が講師となり、ＩＣＴを利用したバレーボールの公開授業を指導。管内の保健体育の教諭１５人が参加し、保健体育の教科指導力の向上を図った。

　中学校体力向上推進教員は、中学校における保健体育科の授業改善と授業以外での体力向上に向けた取組を推進するため、実践的指導力に優れた教員を指定するもの。専門性を生かした授業のほか、指導方法の工夫改善、教育活動全体を通じた体力向上に関する実践研究、新体力テストの全学年・全種目の実施、新体力分析ツール等を活用した体力向上プランの作成などに取り組んでいる。

　１４管内で実施しており、石狩管内では本年度、同校の齋藤達也教諭が指定された。

　この日は、中学校保健体育科教員の教科指導力の向上を図るため、優れた教科指導力を有する教員等を講師として、公開授業、研究協議およびワークショップなどの実践的な研修を行うことを目的にセミナーを実施した。

　はじめに、道教委健康・体育課の田中貴博主任指導主事が、学習指導要領の趣旨や単元および１単位時間を通して三つの資質・能力をバランス良く育成するための授業づくりについて説明したあと、公開授業を行った。

　公開授業では、齋藤教諭が２年生に、球技「ネット型・バレーボール」の授業を実施。本時は８時間扱いの７時間目。ゲーム形式でラリーをいかに続けるか工夫することをねらいに行った。

　はじめに、準備運動や前時までの課題把握を行ったあと、ラリーを続けるためのチームミーティングを実施。内容をオンライン掲示板アプリ「パドレット」に投稿した。齋藤教諭は、班を巡回し、必要に応じて話し合いの内容について問いかけをし、作戦の意味を考えるきっかけづくりを行った。

　続いて、１巡目のゲームを開始。電子黒板とタブレットを利用してコート上でどのような試合になったか動画撮影を行った。撮影するコートは一つとし、撮影が終わった試合から動画を見て確認作業と作戦の補強に取り組んだ。

　その後、さらにミーティングを重ねて相手チームと作戦を交流し、試合をすることで、効果的だった作戦やつぎの時間への課題を確認し、理解を深めた。

　授業の最後に、本時の好プレー動画として、レシーブでボールを拾い、トスを上げて攻撃を行う三段攻撃が実現した場面を視聴。動画で取り上げられた生徒たちは「攻撃が決まって気持ち良かった」と笑顔を見せた。

　公開授業後、参加者に対して齋藤教諭が授業実践に係る説明を行ったほか、道教育大学旭川校の高瀨淳也教授が「今求められる保健体育授業の在り方」について講義。生徒に「できる」「分かる」を一層実感させる保健体育の授業づくりについて説明した。

　最後に実施したワークショップでは「個別最適な学び」と「協働的な学び」「指導と評価の一体化」の実現に向けた授業改善に取り組んだ。

(道・道教委 2023-10-31付)