道総合教育会議　東北大院・青木教授講演　教員確保へ戦略的議論を　即応予備役制度など提案

（道・道教委 2023-10-30付）

道総合教育会議

　道は２６日、札幌グランドホテルで第１回道総合教育会議を開催した。中教審特別部会の臨時委員を務める東北大学大学院教育学研究科の青木栄一教授が「需要と供給からみた教師不足対策」と題して講演。需給構造の変化を解説し、産休・育休の代替教員の確保、早期離職防止など、本道における教員確保に向けた政策を提案した。

　開会に当たり鈴木直道知事は「北海道が持続的に発展するには本道の未来を切り開く人材の育成が大変重要。学校教育の中核を担う教員の不足に大きな危機感を持って対応する必要がある」と活発な議論に期待した。

　議事に先立ち倉本博史教育長がいじめ防止対策の取組状況を報告し、引き続き教員不足の現状や教員確保に向けた道教委の取組を報告。道・民間・大学・地域が協働し、魅力啓発、人材育成、環境整備の好循環を図る必要があるとし①若年層に対する教職の魅力発信②道外からの教員志願者の確保③職場環境の整備―の３点を課題として提起した。

　続いて東北大大学院の青木教授が講演した。

　産休・育休代替教員の雇用調整弁として機能していた「教採浪人」が正規採用に吸収されるなど需給構造の変化を解説し、新卒採用、離職防止を含む戦略的議論を進める必要があると指摘した。

　教師の過酷な労働環境が過剰に流布している現状を懸念し、収入・福利厚生面から教職の魅力を積極的に発信するよう提案。道教委が働き方改革に率先して取り組むことで全国の教員志望者を呼び込む可能性があるとし、道主導による統一的な統合型校務運営システムの調達など業務改善の施策を提案したほか、代替教員を確保する「即応予備役」教員制度の創設も提言した。

　最後に各委員が意見交換。清水彰委員は、離職・中途退職者を防止するため要因分析を進めるほか、産休・育休の代替教員を確保する手だてを講じる必要性に言及した。

　大鐘秀峰委員は、自治体の支援を得て北海道で働く魅力を道外に発信するほか、地域住民・家庭の協力を得て働き方改革を進める必要性を強調。郡部における代替教員の確保も大きな課題とし、遠隔授業の体制整備の必要性を取り上げた。

(道・道教委 2023-10-30付)