生成ＡＩで業務負担軽減　道　３０日から試行開始　２種類併用で可能性模索

（道・道教委 2023-10-27付）

　道は３０日から庁内業務において生成ＡＩの試行利用を開始する。各部局において業務利活用の可能性や課題を検討し、職員の業務負担軽減や住民サービスの向上につなげる考え。庁内各部局から利用希望者を募り３００人で試行。道教委からは本庁各課・各教育局から約３０人が活用する予定となっている。

　対話型の生成ＡＩは定例文書、議会答弁、議事録の作成・要約、翻訳などの業務負担の軽減や生産性の向上に期待されており、全国の自治体で利活用の検討が進みつつある。

　道内では当別町が７月からチャットＧＰＴの全庁的な実証を開始。成果や課題を踏まえた上で１０月から全庁的に導入した。神奈川県の相模原市では行政における専門用語に対応できるＮＥＣ開発の国産型生成ＡＩの導入を進めている。

　道においては今月１３日、対象職員が生成ＡＩを利用するに当たって注意すべき事項や有効な活用方法などを示す「北海道生成ＡＩの試行に係るガイドライン（第１版）」を策定。試行に当たってはガイドラインの順守を徹底し、得られた回答をうのみにすることなく「回答の根拠」「権利侵害の有無」「差別表現や倫理に反する表現の有無」を確認する。

　使用する文書生成ＡＩは、チャットＧＰＴとマイクロソフトのＡＩチャット「ＢｉｎｇＡＩ」の２種類。チャットＧＰＴに関しては、文章作成の補助、あいさつ原稿やメール文の作成、文章の校正・要約、翻訳、行政事務に関するアイデアの創出、エクセルマクロのプログラムの作成・修正などの活用が期待されるが、令和３年９月までのデータまでしか学習していないため、最新情報の検索的な使用方法には適していないとされる。

　対してＢｉｎｇＡＩは、ウェブ検索と連携して最新情報を検索・回答する検索エンジンＡＩ．チャット回答時に詳細情報が表示されるため、根拠などを確認できる利点がある。

　実証期間は年度内に完了する予定。実証で得た成果・課題を分析し、利活用の可能性を検討する。

(道・道教委 2023-10-27付)