道教委　スタートアップ支援学習会　障がい者に学びの場を　紙細工など創作活動を体験

（道・道教委 2023-10-27付）

道教委スタートアップ支援学習会

　【網走発】道教委は２４日、小清水町防災拠点型複合庁舎で「障害者の生涯学習支援体制構築モデル事業」（スタートアップ支援学習会）を開いた。町教委生涯学習課や町社会福祉協議会の職員らが参加。障がい者の学習の場をつくり出すための一つの実践として、誰もが楽しく手を動かして取り組むことができる様々な創作活動を体験した。

　道教委は本年度、文部科学省の委託を受け、障害者の生涯学習支援体制構築モデル事業を推進している。学校卒業後における障がい者の学びの機会拡充や体制構築などに取り組むもの。

　今回は、同事業の一環としてスタートアップ支援学習会を実施。障がい者の学びの機会拡充に向けた取組の開始や拡充を検討している団体の職員が、必要な知識や技術について理解を深めることを目的としている。

　町教委生涯学習課や町社会福祉協議会の職員約１０人が参加。「まちの図工やさん」として活動しているアトリエたねまきの植野倫加さんが講師を務め、様々なものづくりを体験してもらった。

　はじめに、オホーツク教育局の髙橋枝里子社会教育指導班主査が、障がい者の生涯教育が求められている背景や現状について説明した。

　特別支援学校卒業生の高等教育機関進学率が約２・２％（４年度学校基本調査）であることや地方公共団体における障がい者の学習支援のノウハウが少ないことなどを示した上で、地域全体で生涯学習の環境づくりを進めていく必要があることを伝えた。

　このあと、実習に移り、講師の植野さんが、障がい者の人たちと共に楽しむことができる創作活動を紹介し、参加者と一緒に取り組んだ。

　最初に「ステンドグラスみたいな紙細工」を創作。両面黒色の折り紙を２重３重に折り畳み、はさみで好きなように切り込みを入れ、広げるときれいに模様ができている折り紙にフィルムを貼り付けた。

　そして、黒色ではない透明なフィルムの部分に油性ペンでカラフルに色を配し、完成した「ステンドグラス」を部屋の鏡に張り付けた。

　植野さんは「どんなふうに作ってもきれいに見える」と簡単に出来栄えの良い美しい作品を作ることができることを伝えた。

　参加者は、このほかにも「インク染め」「カラフルボトル」「光の小筒」など、身近にある材料と道具で手軽にできる作品作りを体験した。

(道・道教委 2023-10-27付)