札幌元町北小 授業から学ぶ会　自ら考え共に響き合う　２年国語 個と集団で学習

（札幌市 2023-11-08付）

札幌元町北小授業から学ぶ会

　札幌市立元町北小学校（松田諭知校長）は１０月２７日、同校で開校５０周年記念「授業から学ぶ会」を開催した。研究主題「自ら考え　ともにひびき合う　子どもの育成」のもと、低・中・高学年、特別支援ブロックから国語と算数の４授業を公開。分科会と研究協議を通じて、より良い授業づくりを目指した。

　同校では研究主題に「自ら考え　ともにひびき合う　子どもの育成」を掲げている。

　“個”の「解決したい」「伝えたい」という思いと“全体”の「知りたい」「聞きたい」という思いが授業内で結び付くことによって、集団の学びが深化すると考え、仲間との意見交流や関わり合いを重要視した授業づくりを展開している。

　研究の視点については、自ら考えひびき合うための「教材化」と「教師の手だて」を設定した。

　教材化では、課題意識や目的意識が持続する単元構成を通じて、子どもが主体的に考えたくなる課題設定を重要視している。

　教師の手だてについては「子どもの思いをつなげる」ことを重点として、全体交流と振り返りに時間を設定することを心がけ、“個”と“集団”の双方向性を取り入れた授業を大切にしている。

　この日は、低・中・高学年と特別支援の４ブロックの国語と算数の授業を公開した。

　低学年ブロックの２年２組国語「まとまりに分けて、お話を書こう“お話のさくしゃになろう”」（水谷美那教諭、児童数２７人）では、物語の構成（はじめ・中・おわり）のうち“中”を考える活動に臨んだ。

　単元においては、教科書に登場するネズミの挿絵をもとに、物語を膨らませてわくわくどきどきする絵本を作る言語活動を設定した。

　単元を通して「わくわくどきどき」をキーワードに、児童の創作意欲をかき立てることを意識。単元目標では、身近な事象を文章に表し、構成を考えたり感想を伝え合ったりできる姿を目指している。

　前時までに、登場人物の設定や“はじめ”のメモ作りをしてきた。

　はじめに水谷教諭は、既習内容を整理。

　つぎに「先生の作ったメモを見て」と呼びかけた。「二ひきは森につきました」「二ひきは家に帰りました」という構成に、児童たちは「わくわくどきどきしない」「何も起こってない」と声を上げた。

　「わくわくどきどきするお話にするにはどうすれば良いかな？」と水谷教諭。児童たちそれぞれが考えた物語を全体発表させた。

　相づちを入れながら、アイデアを場所・人物・物に分類した。「洞穴、ドラゴン、宝箱。たくさん思い浮かんだね！」と称賛し「わくわくどきどきするお話にするためには、場所・人物・物が重要そうだね」とまとめた。

　児童たちはペアワークで互いのストーリーを共有したあと、友達のメモを全体に紹介。学習の要点を振り返った。

　授業後は、分科会と研究協議を通じて、授業改善に向けた忌憚のない意見交換を行った。

(札幌市 2023-11-08付)