管理職向け特支教育研修会第３弾　授業の流れ　明確化を　道教大函館・細谷教授講演　道教委

（道・道教委 2023-11-27付）

　道教委は２２日、オンラインで管理職のための特別支援教育に関する研修会の第３弾を実施した。道教育大学函館校の細谷一博教授が「ユニバーサルデザインの視点を生かした授業づくり」をテーマに講演。ユニバーサルな授業づくりに向け、授業目標の共有化・焦点化や授業の流れを明確化する大切さなどを説いた。

　開会に当たり道教委の堀籠康行特別支援教育担当局長は「管理職には、自校の課題を踏まえた特別支援教育に関する校内研修を実施するとともに、通常の学級担任の専門性向上を図り、特別支援教育のノウハウを通常学級の児童生徒の指導・支援に生かすことが求められている」と指摘。その上で各学校において、管理職と担当教諭が授業改善の方向性を共有し、学校全体で授業づくりに取り組むよう期待した。

　引き続き、細谷教授が多様な人々が利用しやすいようあらかじめ都市や生活環境をデザインする考え方「ユニバーサルデザイン」の視点を生かした授業づくりについて講演した。

　細谷教授は、ユニバーサルな学級集団づくりの原則として①落ち着いて過ごせる②間違いや分からなさを否定的に見ない③学び方の違いを認め合う―の３点を示した。

　その上で、学習環境の整備について「個人の持ち物を明示」「プリントの整理の仕方を指導する」「授業の準備物を“視覚的”に示す」など、教室の学習環境のルールを決める必要性を説いた。

　また「児童生徒に何を求めているのか授業目標を共有化・焦点化する」「児童生徒に見通しを持たせるために授業の流れを明確化する」などユニバーサルな授業づくりのポイントを提示。子どもが分かって動ける、動きやすい教育環境や教材、学習の仕組みを工夫する大切さを説いた。

　この日の研修に合わせて特別支援教育リーダー教員研究協議会を実施。坂内仁主査が「本道の特別支援教育の現状と課題」について説明したほか、「全ての児童生徒に対して分かりやすい授業づくり」に関する事例をもとに協議し、各管内の特別支援教育を支える体制の構築を図った。

(道・道教委 2023-11-27付)