七飯町教委など　Ｅ―Ｌｉｎｅセミナー　指導と評価の一体化へ　大沼岳陽で公開授業や講演

（道・道教委 2023-11-28付）

渡島ＥＬｉｎｅセミナー

　【函館発】七飯町教委と渡島教育局、渡島英語教育研究会は２１日「地域教職員研修促進費に係る地域連携事業兼渡島Ｅ―Ｌｉｎｅセミナーおよび渡島英語教育研究会授業研究会」を七飯町立大沼岳陽学校で開催した。公開授業のほか、文部科学省国立教育政策研究所教育課程研究センター研究開発部の清水友晶学力調査官兼教育課程調査官による講評を通して、言語活動の充実や指導と評価の一体化に向けたＰＤＣＡサイクルを確認した。

　管内英語教育実践指定校の小・中学校の英語担当教員、小学校外国語専科教員ら２８人が参加した。

　セミナーでは、指導と評価の一体化に向けたパフォーマンステストの改善・充実を図るための授業づくりを渡島局の松本了祐義務教育指導班主査が説明。「指導と評価の一体化」の充実を図った学習過程の改善のポイントとして、言語活動前後における指導方法を確認。言語活動前は「目的や場面、状況を理解させること」「使用する言語材料を明示しないこと」の２点を挙げた。

　言語活動後の指導については、言語使用の正確さを指導した上で内容面の適切さをはじめとする指導を心がけるよう求めたほか、ＣＡＮ―ＤＯリストの年間指導計画、単元計画への反映、リストの達成度の把握に向け、面接やエッセー、スピーチなどのパフォーマンス評価、行動の観察など様々な評価方法を選択する必要性を強調した。

　公開授業では同校の５年生（児童数１７人）「Ｕｎｉｔ６　Ｗｈａｔ　ｗｏｕｌｄ　ｙｏｕ　ｌｉｋｅ？」を桜井みちる教諭と住吉太一教諭が指導。オールイングリッシュで授業を進めた。

　導入では、プロジェクターに投影した様々な食べ物の英語の名称を学習。デジタル教材の動画で会計時の表現を身に付けたあと、注文した料理の金額を聞き取る言語活動へ移行した。児童は２人一組で「Ｈｏｗ　ｍｕｃｈ　ｉｓ　ｉｔ？」を使用しながら会話を練習。アクティビティーやゲームを中心とした言語活動を取り入れることで、児童の興味・関心を育んだ。

　授業後は国研の清水調査官が「“指導と評価の一体化”のためのパフォーマンステストの改善・充実に向けて」をテーマに講評した。

　全国学力・学習状況調査を通して、これまでの指導を振り返り、授業改善に生かすことの重要性について言及し「本時は単元のゴールで使う表現の練習の場を意識して指導すること」「思考・判断・表現の評価では、思考場面を設定した上で評価すること」「パフォーマンステストでは、妥当性・信頼性・実用性のバランスを考えることが大切」などと述べ、テストの種類や作成方法、作成時期など授業改善に必要な着眼点を指摘した。

(道・道教委 2023-11-28付)