宗谷局主管 稚内中で公開授業など 心の弱さを乗り越える 道徳教育抜本的改善支援事業
(道・道教委 2023-11-28付)

道徳教育の抜本的改善支援事業
道徳教育の抜本的改善支援事業

 【稚内発】道教委は11月上旬、稚内市立稚内中学校(森河真校長)を主会場に道徳教育の抜本的改善・充実に係る支援事業家庭・地域との連携推進事業を開催した。宗谷教育局が主管。管内小・中学校の教職員45人が参加。公開授業や講演などを通して、本道における道徳教育の発展を目指した。

 当日は、ハイブリッド形式で開催。授業実践や協議などを通して、道徳教育の改善・充実を図り、道徳科の特質を生かした授業づくりについて、保護者や地域住民の理解が図られる指導資料の作成を目的としている。

 開会後、1年1組(生徒数37人)の単元「心の弱さを乗り越えるために」の授業を竹田有佑教諭が指導。教材には「銀色のシャープペンシル」を使用した。

 本時は「心の弱さと良心の間で葛藤する主人公に自分を重ね、弱さを乗り越えて人間としてよりよく生きていこうとする意欲を育てる」ことをねらいとしている。

 冒頭、生徒が自分の心が弱いなと感じたのはどのような時かをグーグルジャムボードに入力した。「言いたいことが言えなかった」「周りの意見に流されていると感じた時」など、自身と他者の心が弱くなる瞬間を全体で共有。その上で、本時のテーマとして「自分の心の弱さとどう向き合うべきか」を示した。

 つぎに、竹田教諭が教材を音読。主人公が抱く心の弱さや感情の変化などを全体で確認したあと「自分が主人公の立場だった場合にどのように行動するか」についてグループで意見交換した。 

 この後、個人間でも意見交換。「正直に謝った方が気持ちがいい」「嘘がばれないかを心配したくない」など、主人公の立場になって自身の意見を述べた。

 意見交換後、過去の自分に対して、本時で学んだことを考慮した自分からの助言をワークシートに記入。「少しずつでも自分の意見を主張して、何かに挑戦してほしい」「やってしまったことは仕方ないので、謝ってほしい」など、現在の自分から過去を振り返ってアドバイスを送った。

 竹田教諭は、人間は本来は心が弱い生き物であることを強調するとともに「大事なのは、心が弱いことに対してしっかりと向き合うこと」と呼びかけ、日常・学校生活において自分と向き合って意思決定する重要性を説いた。

 公開授業終了後「道徳教育の充実に向けた小・中学校の連携」をテーマにしたシンポジウムが行われたほか、國學院大學の澤田浩一教授が「道徳性の発達に応じた道徳科の授業」を演題に講話した。

(道・道教委 2023-11-28付)

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