道教委特別研修に管理職６００人　教職員が学び合う学校　中教審・荒瀬会長が講演

（道・道教委 2023-12-04付）

道教委・学校管理職等特別研修会

　道教委は１１月２９日、札幌市内のＴＫＰカンファレンスセンターで学校管理職等特別研修会を初開催した。第１２期中教審会長を務める独立行政法人教職員支援機構理事長の荒瀬克己氏が「子どもを主語にする学校をつくる」と題して講演。教職員同士が学び合う職場づくりや児童生徒の自己肯定感を育む評価など、自立した学習者を育む視点を示した。

　「令和の日本型学校教育」の推進に向けて管理職の資質・能力の向上を図るため、道国公立幼稚園・こども園長会、道小学校長会、道中学校長会、道高校長協会、道特別支援学校長会と共催で開催。各校種の管理職約６００人が参加した。

　開会に当たり川端香代子学校教育局長があいさつ。「“子どもを主語にする学校づくり”を振り返り、あすからの実践の視点を身に付けてもらえれば」と期待した。

　続いて荒瀬氏が講演。３年の中教審答申と学習指導要領の関連性を伝えたほか、児童生徒や学校の現状・課題を明らかにするため、経験や省察に基づいた「視座」の大切さを示した。

　子ども主語の学校を実現するために、子どものみならず教職員同士が学び合う環境が重要とし「先生の学びが子どもの学びに役立つことは間違いない。直接つながらないとしても、充実による安定感が意味のあるものになる」と述べた。

　また、児童生徒が将来のイメージを持って学びへと向かう「自立した学習者」となるためには自己肯定感が第一歩になるとし「受け止める」「励ます」といった個々の可能性を引き出す評価の観点を示した。

　４年の中教審答申に基づき管理職のリーダーシップを解説。教職員が安心して仕事ができる「心理的安全性」、収集した情報を想像力を発揮して分析する「アセスメント」、個々の教員の力を引き出して学校づくりを進める「ファシリテーション」を呼びかけた。

　参加者からは「自校の課題解決の方向性を考える視点をいただき、具体的方策を考える手掛かりとなった」「研修の在り方や評価など次年度の学校経営計画の参考にしたい」などの感想が寄せられた。

　道教委は今後、当日参加できなかった参加者向けに動画を限定公開する予定。

(道・道教委 2023-12-04付)