リーディングDXスクール実践報告会 効果的な活用例を共有 旭川緑が丘中など4校が発表(学校 2023-12-11付)
旭川市リーディングDXスクール発表会
【旭川発】文部科学省のリーディングDXスクール事業の指定校・旭川市立緑が丘中学校(貞弘真悟校長)など4校は11月下旬、旭川市内の大雪クリスタルホールでリーディングDXスクール事業実践報告会を開催した。指定校4校がICTを効果的に活用した授業実践例や校務DX推進に向けた取組を紹介。参加者は、新時代の学校現場に求められる実践について理解を深めた。
文科省の新規事業であるリーディングDXスクール事業は、全国各地で1人1台端末やクラウド環境を活用した効果的な教育実践の創出・普及を図ることが目的。日々の授業改善、家庭学習や校務効率化など教育課程全般にわたって実践を行いながら、全国に事例を展開するもの。
旭川市からは緑が丘中、緑が丘小学校(内藤奏子校長)、西御料地小学校(佐藤聖士校長)、緑新小学校(甲斐信太郎校長)の4校が指定されている。
報告会は、指定校4校の発表を通して、各校におけるICTの効果的活用に加え、校務DXの推進に向けた今後の具体的な取組について見通しを持つことを目的に開催。市内外の小・中学校教職員と上川教育局・旭川市教委の職員を合わせて105人が参加した。
◆主体的・対話的 学び推進に効果 緑が丘小
緑が丘小の長岡伸二教諭は、6年生体育科「鉄棒運動」の授業実践例を紹介。児童たちに①目当て②達成具合③振り返り―の3つをスプレッドシートに記入させ、学年内で共有することによって「教員は得意・不得意な児童が一目で分かり、児童たちはどの友達にこつなどを聞けばいいのかが分かるため、主体的・対話的な学習が進めやすい」と説明した。
校務DXに向けた取組については、職員室と教室が離れている校舎の特性を考慮し「担任がどこにいても確認ができるようスプレッドシートで出席確認シート等を共有している」と紹介した。以前まではエクセルで出席確認等のシートを管理しており「職員室内でしか確認作業等ができないという欠点があった」と強調。クラウド上に共有することで「アクセス可能な機器であれば、場所・時間を選ばずに作業ができるようになった」「職員会議の資料なども共有できる」と利点を挙げた。
◆学習の積み重ね 児童が実感 緑新小
緑新小の伊林貴志主幹教諭は、スプレッドシートを活用した授業の振り返りの工夫を発表。グーグルクラスルーム全体で授業の流れを明示し「児童に授業の見通しや振り返りの観点を持たせる」とした上で「おのおのが考えた目当て等を随時全体に共有し、振り返りを適宜行うことで、児童が学習の積み重ねを実感できる」と説明した。
校務DXについては、出席確認をスプレッドシートとグーグルチャットを併用した実践内容を紹介した。ことし9月から保護者がスプレッドシートで入力した欠席連絡をもとに、チャット上で保護者と教員が連絡を取れる環境を整備。電話連絡が激減したことで「担任が教室と職員室を往復する必要がなくなり、児童と向き合う時間が増えた」と成果を述べた。
◆音楽制作ソフトで 興味・関心高まる 西御料地小
西御料地小の石田直也主幹教諭は、音楽の授業で音楽制作ソフト「GarageBand(ガレージバンド)」を活用して、楽器の演奏方法を指導する様子を公開。正確な音程できれいな音色が出せることから「音楽が苦手な児童でも、楽しく学ぶことができる」と興味・関心を持たせる実践例を紹介した。
校務DXでは、グーグルクラスルームを活用した行事の効率化に向けた取組を説明。運動会や学習発表会の際に必要となる舞台配置図などをクラウド上に共有することで「紙の束を持ち歩いて、担当の教員に渡すといった作業がなくなり、効率化を図ることができた」と伝えた。
◆専用サイト設置し 進路指導の負担減 緑が丘中
緑が丘中の北村裕美教諭は、理科の授業での活用例を紹介した。
電流計の使い方や値の読み方などを動画で紹介することによって「実験中に何度も確認することが可能になり、主体的に授業を進められるようになった」と説明した。
また、理科室等にモニターを設置し、他の班の実験結果等をリアルタイムで表示することで「他の意見や結果を参考に、繰り返し実験を行うことができ、知識の定着度向上につながる」とした。
校務DXでは、ホームページが簡単に作れるアプリ「グーグルサイト」を活用した取組を発表した。全学年で15学級ある特性を踏まえ、生徒・保護者・教員がアクセス可能な進路指導専用サイトを立ち上げ、スプレッドシートで作成した表をサイトにアップ。結果、「教員は生徒ごとの進路に関することを表に入力するだけで良くなり、指導に係る負担が軽減した」と解説した。
(学校 2023-12-11付)
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