千歳泉沢小　道徳でみち学習　道路の神様の業績学ぶ　国道３６号建設技術者題材に

（学校 2023-12-06付）

千歳市泉沢小学校みち学習

　千歳市立泉沢小学校（早川久夫校長）で１１月２７日、国道３６号建設に尽力した技術者・高橋敏五郎を題材とした道徳科の授業が行われた。道開発技術センター（ｄｅｃ）が進める「石狩空知みち学習」の一環。６年１組３４人が「道路の神様」と称された高橋の業績を学びながら、身近な国道や地域に対する誇り・愛着を深めた。

　国道３６号は、当時最新のアスファルト舗装を用いて、わずか１年で完成したことから「弾丸道路」と呼ばれ、日本における高速交通の先駆けと評価された道路。施工に携わった高橋は、舗装工事の近代化の礎を築いた功績から「道路の神様」とたたえられている。

　プロジェクトは、札幌市、千歳市、美唄市の３市で身近な道路を教材とする授業の開発を進めている。今回は、同校の地域性を踏まえ、国道３６号施工に尽力した高橋に着目。教材開発に当たって、開発局札幌開発建設部やｄｅｃ、認定ＮＰＯ法人ほっかいどう学推進フォーラム等が資料収集などに協力した。

　当日は、６年１組道徳科（矢島勲教諭、児童数３４人）に位置付け、１人１台端末を積極的に活用しながら授業を展開した。

　また、今回は児童の学びの姿勢を図るため、一人ひとりの感情を表情から読み取る実証試験も行った。緊張・集中・期待感の３つを端末から読み取ることで、児童と教員双方が主体的に授業に取り組むことなどを期待した。

　矢島教諭は冒頭、事前に実施した「千歳市で大切にしたいもの」についてのアンケート結果を提示。市内で撮影された写真と共に同路線について紹介した。

　続いて、児童が各自で弾丸道路建設５０周年記念動画を視聴し、感じたことや意見をジャムボードで共有。児童たちは「先を見据えて次世代を育てることにも力を入れていた」「火山灰をアスファルトに使うなど独創的な感覚があった」などと発表し、国道３６号が地域の発展に果たした役割に対する誇りや愛着を深めた。

　授業を見学した、ほっかいどう学推進フォーラムの新保元康理事長は「高橋敏五郎を教材として扱う機会がなかったため、今回取り扱えたのはとてもうれしい。授業の実施方法も個別最適化された学びに合っていると感じた」と話した。

(学校 2023-12-06付)