道教大附属釧路義務教育後期9年生 地域振興へ15歳が提案 探究活動の成果を一般公開
(学校 2023-12-18付)

釧路をイメージした曲を演奏する清水さん(左)と輪湖さん

 【釧路発】道教育大学附属釧路義務教育学校(早勢裕明校長)後期課程9年生71人は11日、3年間継続探究してきた地域学「くしろマスタープラン~15才の提案」を、総合的な学習の時間に一般公開した。

 3年間の継続探究の成果を、釧路を支える地域の人々に向けて発表することで、町の活性化の一助となる案を発信することをねらいとしている。 

 地域学に協力してもらった人々や保護者・地域住民、市内の幼稚園・保育園教諭のほか、道外の大学や教育関係者らが参加。約50人が釧路の活性化に向けた15歳の提案に耳を傾けた。

 生徒たちは3人一組の22グループに分かれ、体育館などに設置されたブースで発表。1人約10分の持ち時間の中で、探究してきた成果を披露した。発表会は3回に分けて構成され、1人2回の発表。あと1回はほかのブースでの提案を聞くことができる。

 「釧路×星空」や「釧路の自然カレンダー」など、釧路の自然をPRする内容や、食を中心にした「釧路クッキー」「透明タルト作り」などが提案された。また、道東の魅力を伝えようと、釧路市内にとどまらず近隣の町村まで足を運び関係者等に話を聞くことで、自分のアイデアを深めていった生徒も。 

 課題に対し情報を集め、整理・分析してまとめ、表現することで、社会に積極的に参画しようとする姿が見られた。3年間の継続探究に主体的に取り組んだことで、様々な視点から釧路の魅力を再発見し、活性化に向けた数多くのアイデアが提案された。

 うち、音楽で釧路を活性化する案を提案した清水太陽さんと輪湖史幹さんは「釧路をイメージした曲作り」に挑戦。地域学に協力してもらった人と対談する中で、釧路らしさや何を表現したいのかをあらためて考え、曲作りに生かしたことなどを説明。出来上がった曲を演奏すると、参加者からは大きな拍手が湧いた。曲はアイチューンズやユーチューブなどで配信を予定しており、多くの人の心に届くことで釧路の活性化につながればと笑顔を見せた。

 「犬用パプリカケーキの作成」を提案した松橋寧々さんは、釧路には自分が好きなイヌと触れ合える場所が少ないという課題から探究活動をスタート。当初はパプリカを使ったケーキでイヌへの気持ちを高めることをねらいとしたが、活動を深めていく中で、釧路産パプリカをより強くPRすることで、釧路の隠れた魅力を効果的に伝えられると考え、釧路産パプリカケーキの開発とポスター制作を提案。釧路産パプリカの良さに気付くことがイヌへの関心にもつながると主張した。

 閉会式で松橋さんは「課題に対し、調べたり実証検証したりする中で、試行錯誤によっていろいろなことに気付くことができた」とし、町の活性化に向け、今後も取組を進めていきたいと意欲をみせた。

 担当の足立英世教諭は「関心事を突き詰めながら、自分たちの町と関わることに一人ひとりが向き合ってきた」とし、町の活性化に積極的に関わろうとする生徒の姿に期待した。

(学校 2023-12-18付)

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