根室管内北方領土学習研究大会 つながり見える授業に 中標津計根別学園で授業公開(道・道教委 2023-12-22付)
根室管内北方領土学習研究大会
【釧路発】第40回北方領土学習研究大会が13日、中標津町立計根別学園(滝泰英校長)で開かれた。管内の教育関係者33人が参加。同学園前期課程6年生の総合的な学習の時間「北方領土の未来」と後期課程8年生の社会科「第5章開国と近代日本のあゆみ 国境と領土の確定」の2つの授業を公開。このほか研究協議を行うなど、地域の教育資源を生かした教育の充実に向け研鑚に努めた。
主催は根室管内北方領土学習研究会、北方領土隣接地域振興対策根室管内市町連絡協議会、根室教育研究所、計根別学園。「いつでも、どこでも、だれでもできる北方領土学習~つながりが見える北方領土の授業を通して」と研究主題を設定している。
開会に当たり、根室教育研究所の丹野聡副所長があいさつ。「北方領土問題は重要な地域学習の一つであり、大会を継続することで研究・実践を積み重ねてきた。実態を見つめ直すことで教育の充実に向け実りあるものとなるよう期待している」と述べた。
このあとの公開授業では、前期課程6年生の総合的な学習の時間「北方領土の未来」(登藤英臣教諭)と後期課程8年生の社会科「第5章開国と近代日本のあゆみ 国境と領土の確定」(千野泰聖教諭)の授業を公開した。
このうち登藤教諭の「北方領土の未来」では、本時の目標を「これまでに学習した内容を整理し、問題の本質から自分たちにできることを考えることができる」と設定。前時までに学習してきた北方領土問題について、思考ツールを用いて整理した上で、興味を持った問題点についてグループで解決策を出し合った。
登藤教諭は、児童が持っている北方領土に関する知識やキーワードを収集し「ロシア」「元島民の高齢化」「産業」「時間の経過・関心度の低さ」と観点別の項目を設けた。児童は4グループに分かれて、それぞれの課題に資する解決策を話し合った。
児童からは「海産物を対等に取れるよう交渉する」「自国の文化をそれぞれが理解し交流を深める」「SNSの効果的活用による問題の波及」などの意見が上がった。
つぎの時間から課題解決に向けたより具体的な実践の在り方について話し合いを進める予定。児童は共有した意見を踏まえ今後に備え、自分が特に関心のある項目を選択した。
授業後は、根室教育局義務教育指導班の渡辺祥太指導主事が助言者を務め研究協議を行うなど、地域学習のより一層の充実を図った。
(道・道教委 2023-12-22付)
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