5年度体力等調査 小学男女9種目で全国超 ICTの効果的活用に課題 スポーツ庁
(道・道教委 2023-12-25付)

表
令和5年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果 本道における実技調査

 スポーツ庁は22日、5年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果を公表した。札幌市を含む道内小学校の体力合計点は、全国との差を縮め、男子4種目、女子5種目で全国平均を上回った。中学校では、男子の握力以外の種目で全国平均を下回ったものの、男子4種目、女子6種目で全国との差が縮まった。道内でICTを使った授業が浸透してきている一方、ICTを効果的に使った授業改善に課題もみられた。

 調査は、児童生徒の体力・運動能力や運動習慣の向上に関する施策の成果と課題を検証し、改善を図るもの。対象は小学5年生と中学2年生でことし4~7月末までの期間に実施した。

 全国平均を上回った実技調査の種目は、小学校男子が握力、反復横跳び、立ち幅跳び、ソフトボール投げの4種目、女子が握力、長座体前屈、反復横跳び、立ち幅跳び、ソフトボール投げの5種目。男子の20㍍シャトルラン、50㍍走、女子の上体起こし、20㍍シャトルラン、50㍍走で全国との差が縮まった。

 中学校では、男子の握力以外の種目、女子の全種目において全国平均を下回ったが、男子の持久走、20㍍シャトルラン、立ち幅跳び、ハンドボール投げの4種目、女子の握力、長座体前屈、20㍍シャトルラン、50㍍走、立ち幅跳び、ハンドボール投げの6種目で全国との差が縮まった。

 肥満傾向児の出現率は、小学校男子が18・9%(全国平均13・7%)、女子が12・5%(同9・8%)、中学校男子が13・3%(同10・6%)、女子が7・9%(同7・0%)。前年度調査と比べ、全体的にやや減少したものの、依然として全国平均を上回っている。

 児童生徒質問紙調査をみると、「運動やスポーツをすることが好き」「運動やスポーツは大切」「自主的に運動やスポーツをする時間を持ちたい」「体育(保健体育)の授業は楽しい」と回答した割合は、小中男女いずれも全国平均を上回った。

 一方で、体育の授業以外における1週間の総運動時間が60分未満と回答した割合について、小学校男女において全国を下回っているが、中学校男女は、全国を上回っており、運動時間が短い生徒の割合が依然として高い状況にある。

 平日に学習以外でスマートフォン等の画面を見ている時間が1時間未満と回答した割合は、小・中学校男女でいずれも全国平均を下回り「スクリーンタイム」が長いことがうかがえる。

 学校質問紙調査をみると、「授業以外で全ての児童生徒の体力・運動能力の向上に係る取組」「スポーツ・運動が嫌い・苦手な傾向がある児童生徒向けの取組または技能の程度に応じた取組」などを行っている学校の割合は全国を上回っている。

 また「授業でICTを週に1時間以上活用している」と回答した学校の割合や「ICTを使って学習をすることでできたり分かったりすることがいつもある」と答えた中学生の割合がいずれも全国平均を上回っており、道教委では「ICTを活用した協働的な学びの充実に向けて、今後も授業改善を一層進める必要がある」と話している。

 今後は、調査結果を詳細に分析するとともに、子どもたちの運動能力の向上に向け、学校・家庭・地域・行政が一体となった取組を推進していく考え。

この記事の他の写真

表
質問紙調査概要(クリックすると拡大表示されます)

(道・道教委 2023-12-25付)

その他の記事( 道・道教委)

十勝局 上士幌小で道徳シンポジウム 家庭等と連携の実践共有 4年授業公開、意見交換など

十勝局道徳教育シンポジウム  【帯広発】十勝教育局は15日、上士幌町立上士幌小学校(山田圭介校長)で道徳教育の抜本的改善・充実に係るシンポジウムを開いた。管内の教職員や保護者ら約40人が参加。授業公開やシンポジウム等を...

(2023-12-26)  全て読む

企業側のニーズ把握を 財源確保は複数で 道教委検討会議 官民連携で地域移行模索

地域スポーツ広域連携検討会議  道教委は20日、札幌市内のかでる2・7で地域スポーツ連携・協働再構築推進プロジェクト第2回広域連携検討会議を開催した。民間資金の活用など官民連携で部活動の地域移行を進める上での課題などを協...

(2023-12-26)  全て読む

大麻グミなど 誤情報に注意を 違法薬物の危険知って 道教委が啓発資料を作成

 道教委は薬物乱用防止に向けた児童生徒・保護者向け啓発資料「なぜ、手を出すのか?薬物乱用の問題を考えてみる」を作成した。薬物使用による誤情報が氾濫する中、様々な健康被害があることに警鐘を鳴ら...

(2023-12-26)  全て読む

函館圏域高校の在り方検討会議 時代に合った人材育成を 道教委 学校魅力化へ協議

函館圏域における高校の在り方検討会議  【函館発】道教委主催の函館圏域における高校の在り方検討会議が19日、渡島合同庁舎で行われた。2市4町の首長、教育長ら10人が出席し、函館圏域における高校の魅力化について意見を交流。出席者か...

(2023-12-26)  全て読む

高校入選の追検査対象 感染症、生理痛など明記 道教委が配慮事項を通知

 道教委は21日付で高校入学者選抜における配慮事項を関係者に通知した。国の方針を踏まえ、新型コロナウイルス感染症やインフルエンザによる感染のほか、月経随伴症状の場合も追検査の対象になることを...

(2023-12-25)  全て読む

根室管内北方領土学習研究大会 つながり見える授業に 中標津計根別学園で授業公開

根室管内北方領土学習研究大会  【釧路発】第40回北方領土学習研究大会が13日、中標津町立計根別学園(滝泰英校長)で開かれた。管内の教育関係者33人が参加。同学園前期課程6年生の総合的な学習の時間「北方領土の未来」と後期...

(2023-12-22)  全て読む

道家庭教育サポート企業等制度 丹羽建設と協定締結 宗谷局 管内登録109者に

丹羽建設が家庭教育サポート企業締結 【稚内発】宗谷教育局は15日、浜頓別町内の建設企業、丹羽建設㈱(丹羽幹典社長)と家庭教育サポート企業等制度の協定を締結した。管内の登録企業は109者となった。同社で行われた締結式では、同局...

(2023-12-22)  全て読む

道産業教育審が第1回会合 13年ぶりに調査実施へ 専門委設置し内容等検討

産業教育審議会  第29期道産業教育審議会の第1回会合が20日、道庁別館で開かれた。第28期審議会の答申を踏まえ、平成22年以来13年ぶりに高校の産業教育の充実に関する調査を実施することを確認。専門委員会を...

(2023-12-22)  全て読む

教員の魅力知って 道教大函館で志願者セミナー 教員が実体験など講話 道教委

教員志願者セミナー  【函館発】道教委は15日、道教育大学函館校で教員志願者セミナーを開いた。道教委の職員や学校現場で働く教員が講師を務め、近年の教育情勢や実体験から見える教員の魅力をアピール。教職を志す学生ら...

(2023-12-22)  全て読む

道労働局 新規学卒者の離職状況 高・短大・大卒で増加 宿泊・飲食業等が高い傾向

表  道労働局は、道内の新規学卒者の離職状況を公表した。令和2年3月卒業者が3年以内に離職した割合は、高卒が43・9%、短大等卒が43・7%、大卒が35・7%。いずれも前年よりやや増加した。産業...

(2023-12-22)  全て読む