十勝局 上士幌小で道徳シンポジウム 家庭等と連携の実践共有 4年授業公開、意見交換など
(道・道教委 2023-12-26付)

十勝局道徳教育シンポジウム

 【帯広発】十勝教育局は15日、上士幌町立上士幌小学校(山田圭介校長)で道徳教育の抜本的改善・充実に係るシンポジウムを開いた。管内の教職員や保護者ら約40人が参加。授業公開やシンポジウム等を通して、家庭・地域と連携した道徳教育の推進に向けて研鑚を積んだ。

 授業公開では、同校4年道徳科「家族の助け合い」を主題に、政野里歩教諭、松隈梨乃教諭が授業者を務めた。人格形成や集団社会との関わり等の基盤となる家庭に着目し、協力して楽しい家庭をつくる大切さについて考えを深めることを目的とした。

 本時のテーマを「家族」とし「あなたにとって家族はどんな存在か」と発問した。児童たちは「自分を産んでくれた」「自分を大切に思ってくれる」「怒ってくれる」など、家族の大切さを話した。

 日頃の家事の手伝いに関しては、掃除や食器洗いなどを行っていることを発表した。

 政野教諭は、本時の課題を「家族との生活で大切なことはどんなことだろうか」と設定。教材「お母さんのせいきゅう書」を読み、話し合いの場を設けた。

 教材は、小学生の主人公が家事を手伝った報酬として小遣いを母に請求するが、母は小遣いと共に、自身が行う家事に0円と記した請求書を手渡す物語。

 主人公が請求書を書いた時の気持ちについて、児童たちは「ご褒美がほしい」「やってあげていると思っている」「お金のため」などと答えた。母が書いた請求書が無報酬の理由は「主人公のため」「大切な家族だから」と回答。母の請求書を見た主人公の思いは「罪悪感がある」「自分のためにやってくれているのに、と思う」と想像した。

 児童たちは、物語に登場する母と、自身の家庭を照らし合わせ、自分のために仕事や家事などを行う保護者に、あらためて感謝の気持ちを抱いた。政野教諭は、事前に保護者から集約した「子どもへの感謝の気持ち」を紹介。「いつも笑顔で元気いっぱいな姿を見て元気をもらっている」「きょうだいの面倒を見てくれて助かっている」「会話の絶えないにぎやかな家族空間を自然とつくってくれる」「産まれてきてくれたことに感謝している」など、多くのメッセージが児童の胸を打った。

 授業公開後、十勝局担当者が事業概要や求められる道徳教育の在り方に関して説明。学習指導要領を踏まえ、児童生徒の道徳性を深めるために、学校・家庭・地域による相互の連携が重要となることを説いた。

 続いて、管内小学校教諭4人、上士幌小PTA役員2人のシンポジストが、家庭や地域と連携した道徳教育の推進に向けて議論し、参加者間で意見交換を行った。

 参加者は「学習規律など、校種による違いを感じた。学校間だけではなく、家庭や地域と連携を図っていきたい」「道徳の授業に悩んでいたが、保護者の協力を得たアンケート調査の活用などが参考になった」と話した。

(道・道教委 2023-12-26付)

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