札幌市教委　中学生自死を受け　いじめ防止基本方針改訂へ　定例会議月１回開催必須など

（札幌市 2023-12-25付）

　３年に札幌市立中学校の生徒が自死した重大事態を受け、市教委は「市いじめの防止等のための基本方針」を改訂する。各学校が設置しているいじめ対策組織について、定例会議の月１回開催を必須とするほか、構成員に養護教諭やスクールカウンセラー（ＳＣ）を必ず加えることなどを示す予定。本年度中の改訂を目指している。これを踏まえ各学校は、自校のいじめ防止基本方針の見直し、改訂を図る。

　改訂の背景をみると、３年に市立中学校の生徒が自死する事態が発生した。いじめを受けていたことを示唆する遺書を残していたことから、市教委はいじめ防止対策推進法に基づく重大事態に認定。市付属機関の市児童等に関する重大事態調査委員会が同年１０月２８日から調査を進め、ことし２月に報告書をまとめた。

　報告書の中では、小学校、中学校で組織的な対応がなされていなかったこと、小学校から中学校へいじめに関する情報が引き継がれていなかったことなどが指摘されている。

　これらを踏まえ市教委は、再発防止策の一つとして市いじめの防止等のための基本的な方針の改訂に着手する。

　主な改訂のポイントは①学校いじめ対策組織②いじめの見逃しや一部の教職員による抱え込みを防ぐための取組③個別の対応状況に関する記録および引き継ぎ④緊急時の対応―の４点。

　特に①では、定例会議の月１回開催を必須とし、必要時の開催方法についても定めるよう明文化。毎月の会議でいじめの認知・解消件数等を確認するよう求める。

　また、構成員に養護教諭とＳＣを加えることを必須とすることを示す。

　②では、複数の教職員が集めた情報を必ず組織で共有することなどを求める。③では、市教委が実施する「悩みやいじめに関するアンケート調査」の調査用紙について、小学校から中学校へ用紙そのものを引き継ぎ、３年間保管することなどを提示する。

(札幌市 2023-12-25付)