札幌市教委　５年度全国体力等調査　合計点　小５男女　２年連続で上昇　コロナ禍から改善傾向に

（札幌市 2024-02-09付）

体力合計点の推移（クリックすると拡大表示されます）

　札幌市教委は、５年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査の詳細結果を公表した。体力合計点は小学５年男女が２年連続で上昇。中学２年男女でも前年度より上がっており、コロナ禍から徐々に改善傾向がみられている。市教委は今後、コミュニティ・スクール（ＣＳ）やさっぽろっ子「自治的な活動」と関連付けて、児童生徒の運動機会の充実を図る考えだ。

　実技に関する調査結果をみると、小学校男子では「長座体前屈」「反復横跳び」「２０㍍シャトルラン」「５０㍍走」「立ち幅跳び」「ソフトボール投げ」の６種目で前年度の結果を超えた。特に、立ち幅跳びは全国平均を上回っている。

　小学校女子では「上体起こし」「長座体前屈」「反復横跳び」「立ち幅跳び」「ソフトボール投げ」の５種目が前年度より改善した。

　中学校は男女共に全国平均を超えた種目はなかったものの、男子では「長座体前屈」「２０㍍シャトルラン」「立ち幅跳び」「ハンドボール投げ」の４種目で前年度の結果を上回った。

　女子で前年度の結果を超えたのは「長座体前屈」「２０㍍シャトルラン」「立ち幅跳び」「ハンドボール投げ」の４種目だった。

　体力合計点は小中男女全てで改善傾向がみられており、市教委は「コロナ禍の行動制限が徐々に緩和され、体育・保健体育授業の中での運動量が増加したことが考えられる」と要因を分析している。

　一方、多くの種目で全国平均に届いていない状況が続いており、特に中学校女子の差が顕著となっていることを課題として示した。

　児童生徒質問紙調査の結果では「運動やスポーツをすることが好き」「体育の授業は楽しい」と答えた児童生徒の割合が高い水準で推移している。

　一方、体育の時間を除く１週間の総運動時間が６０分未満の児童生徒は、小学校男子７・３％、女子１２・９％、中学校男子１５・１％、女子２９・７％と、小中男女全てで前年度より増加。特に全く運動をしない中学校女子の割合が大幅に増加している。

　市教委は、体力向上に向けて“仲間・時間・空間”の「三間（さんま）」の創出による運動機会の充実が重要と捉えている。

　今後、６年度から導入予定のＣＳを活用した家庭・地域との連携によって三間を創出する取組、さっぽろっ子「自治的な活動」と関連付けて児童生徒自身が運動機会を創出する取組に力を入れる考えだ。

(札幌市 2024-02-09付)