札幌市　長期入院中児童生徒対象に　６年度早期に　学習支援開始へ　コーディネーター配置など

（札幌市 2024-02-13付）

　札幌市保健福祉局は、小児がんをはじめとする小児慢性特定疾病で長期入院中の児童生徒に対する学習支援事業の実施を検討している。児童生徒が入院先などで学習支援を受けられるよう、学校や医療機関との調整を担うコーディネーターを業務委託によって配置する予定。ボランティアによる学習支援の実施も計画している。６年度のできるだけ早期からの開始を目指している。

　厚生労働省が実施する小児慢性特定疾病児童等自立支援事業で、これまで任意事業として位置付けられていた①療養生活支援事業②相互交流支援事業③就職支援事業④介護者支援事業⑤その他の自立支援事業（学習支援、身体づくり支援など）―の５事業が、児童福祉法の改正によって５年１０月から努力義務化されたことに伴う措置。

　市によると、小児慢性特定疾病によって長期入院している児童生徒への学習支援は各学校の裁量によって行われており、学校によって支援の状況に差がみられているという。

　市が４年度、小児慢性特定疾病の子がいる２０００世帯を対象に実施したアンケートでも、長期入院の影響による学習の遅れなどに不安を抱く声が多く寄せられている。

　現在検討中の内容をみると、小中学生が対象で、業務委託によって実施する。コーディネーターが窓口となり、児童生徒が学習支援を受ける体制整備に向けて学校や医療機関との調整を行う。

　このほか、学習支援ボランティアによる支援などを検討している。

　市の６年度予算案で、小児慢性特定疾病児童等自立支援費１０００万円のうち、学習支援事業には１９５万１０００万円が計上された。

　市保健所の担当者は「入退院の繰り返しによって学習の遅れが生じ、将来への不安を抱える子の手助けになるよう進めていきたい」としている。

(札幌市 2024-02-13付)