道議会議員　小樽２校を視察　冷房整備へ現場の声聴取　端末活用の授業実践を見学

（道議会 2024-02-22付）

文教委員随時調査２（稲穂小）

　【小樽発】道議会文教委員会の委員１０人は１５日、小樽高等支援学校（児玉倫政校長）と小樽市立稲穂小学校（遠藤隆典校長）の２校を訪問し、随時調査を行った。冷房設備の整備に向けた課題を聴取したほか、１人１台端末を活用した授業の様子を視察した。

　昨年夏の猛暑を受けて緊急度の高い特別支援学校における暑さ対策の現状を確認するとともに、ＩＣＴ端末を活用した先進的な教育活動を視察することで学校の課題・要望を聴取することがねらい。

　大越農子委員長ら１０人と新居雅人後志教育局長ら随行者を合わせて１５人が２校を訪問した。

　はじめに小樽高等支援を訪れ、同校が運営する「Ｃａｆｅ　ポッポリー」を体験しながら各学科の主な作業種、他学科連携などの説明を受けた。

　続いて校舎や寄宿舎を視察。他校と造りが異なり冷房機器の整備に課題があること、生活の場である寄宿舎も厳しい暑さであることなどを聴取した。

　学校からは窓の構造が押し出し式であるため窓枠型の簡易冷房の廃熱が困難であるほか、移動式の簡易冷房が発する音への懸念を伝え「学校や寄宿舎だけではなく、校務補室、寄宿舎の仮眠室、食堂などにも冷房を設置してほしい」と要望を述べた。

　委員からは「冷房設備の多様な在り方を探り、事情に合った整備ができるよう議論していきたい」との声が上がった。

　続いて稲穂小を訪問。各クラスを回りＩＣＴ機器を活用した授業の様子を見学した。タブレットのアンケート機能やジャムボードによる意見共有、英語の動画速度を調整して個々のペースで学習を進める様子を見学した。

　見学後、韮澤滋一教頭が同校の活動状況を説明。ジャムボードを活用することで意見を書きまとめたあと、他者の意見を参照できるなど、個別最適な学び、協働的な学びを選択できるＩＣＴの利点を伝えた。

　家庭学習で利用するＡＩドリルについても説明。生活習慣の確立や教員の業務負担軽減などの効果を示し「児童にとってもすぐに答えが返ってくるため、やりっぱなしの防止になる」と有効性を示した。

　大越委員長は、子どもたちが質問に的確に答えていた様子が印象的だったと語り「ＩＣＴを活用して意見の相互共有を行うことで、思考を深めることにもつながっていると感じる。トライアンドエラーの積み重ねが先進的な取組につながっており、きょうの学びを全道に広げていきたい」と話した。

(道議会 2024-02-22付)