道議会質疑 一般質問(9月27日)(道議会 2024-02-07付)
【Q 質問Question A 答弁Answer P 指摘Point out O 意見Opinion D 要望Demand】
【質問者】
▼広田まゆみ議員(民主・道民連合)
▼滝口直人議員(自民党・道民会議)
▼浅野貴博議員(自民党・道民会議)
【答弁者】
▼鈴木直道知事
▼山本倫彦総務部長兼北方領土対策本部長
▼野崎直人農政部食の安全推進監
▼白石俊哉建設部長
▼倉本博史教育長
◆オーガニック給食
Q広田議員 近年、全国で学校給食への地場の有機農産物の利用を推進する動きがある。
道教委の学校教育推進計画において、今回初めて「YES!clean」や有機農産物を含む地場産品の活用が明記された。
オーガニック給食推進の動きについて、食料安全保障を掲げる知事として、地場の農家を支える農業振興上の観点からも、その重要性をどのように認識しているのか伺うとともに、今後、道としてどのように学校現場や自治体のオーガニック給食の取組を支援していくべきと考えるか、見解を伺う。
A野崎農政部食の安全推進監 学校給食における有機農産物の利用について。化学肥料や農薬などを使用しない有機農業は、環境への負荷をできるだけ軽減した生産方式として、持続的な食料システムを構築する上で重要な役割を担っており、地場産有機農産物の学校給食への利用は、子どもたちが地産地消や環境保全の重要性を学ぶ食育の機会となるとともに、有機農業の拡大にもつながる有効な取組であると認識している。
このため、道としては、道有機農業推進計画に基づき、機械除草など安定生産技術の普及や、慣行栽培から有機農業への転換を進めるセミナーの開催によって、生産拡大に取り組むほか、各振興局における食育推進ネットワーク等を活用し、有機農業者と学校給食関係者、児童生徒との交流を深めるとともに、国の事業を活用し、有機農産物を使ったメニューづくりを支援するなど、生産、消費の両面から学校給食への有機農産物の利用を促進していく。
Q広田議員 安全・安心な質の高い食材を、一定の量、安定的に確保することが必要な学校給食に、「YES!clean」や有機の地場産品を活用することは簡単ではない。
私は、給食の無償化の議論が進む中で、今後、学校給食における地場産品の活用やオーガニック化についての動きを、北海道の地元の第1次産業、食産業振興のこれからに生かすべく、今から準備をする必要があると考える。
知事は、食産業立国・北海道のこれからにとって、学校給食の果たす意義や役割についてどのように認識されているのか、伺うとともに、学校給食の無償化の議論の動向、全国的に保護者からも広がるオーガニックを含む地場産品を活用したいという機運の醸成なども捉えて、道として今後どのように対応していく考えか、再度伺う。
A鈴木知事 学校給食における有機農産物の利用について。地場産有機農産物の学校給食への利用は、地産地消や環境保全の重要性を学ぶ食育の機会となるとともに、有機農業の拡大にもつながる有効な取組であると認識している。
道としては、道有機農業推進計画に基づき、安定生産技術の普及による生産拡大や、有機農業者、児童生徒などとの交流、有機農産物を使ったメニューづくりの支援など、生産、消費の両面から学校給食への有機農産物の利用を促進していく。
◆開かれた学校づくり
Q広田議員 教育大綱策定当初は、コミュニティ・スクール(CS)の推進が、知事部局と教育委員会が重点として取り組むものとして明確に掲げられていたものと認識している。
CSの推進について、大綱策定以降、どのように取組を進めてきたのか、具体的な成果と課題を含めて伺う。
A山本総務部長兼北方領土対策本部長 CSについて。CSは、教育委員会と学校長の権限と責任のもと、学校運営の改善と児童生徒の健全な育成を図ることを目的とした学校運営協議会を設置している学校であり、保護者や地域住民等が学校運営に参画する仕組みである。
CSを導入した学校においては、地域と連携した行事への参加が組織的に行えるようになったといった学校運営に関する成果が得られた一方で、参画する当事者意識の確保、学校教育活動の地域住民への周知方法の工夫改善などが課題になっているものと承知しているところ。
道教委では、学校と地域の連携を深め、高校の魅力化を図っていくことが重要であることから、CSの導入を進めており、道としても、同様の考えのもと、振興局と教育局が連携した、高校生と地域の方々による商品開発、地域の魅力発信などに取り組み、こうした取組が、ひいては、CSの推進にもつながるものと考えているところ。
Q広田議員 学校現場に任せて、開かれた学校づくりの推進は進むものではなく、外部人材の確保や、配置、支援の仕組みの構築などについては、広域自治体の道として、様々な大学や、通信制の教育機関、NPOなどとも連携し、まさに、北海道モデルの開かれた学校づくりの推進に向けて、知事部局としての役割を果たすべきものと考える。今後どのように取り組む考えか伺う。
A山本総務部長兼北方領土対策本部長 地域と連携した学校づくりについて。子どもたちを取り巻く環境や学校が抱える課題は、複雑化、多様化しており、これらの課題の解決に向けては、学校と保護者、地域の方々が一体となって子どもたちの成長を支えることが大切である。地方創生の観点からも、学校と地域の連携協働が必要不可欠であると認識しているところ。
道では、振興局と地元の高校や大学などが連携し、地域の魅力と特色を生かした取組を各地で展開しているほか、前年度開催した総合教育会議においても、「地域を支える人材の育成」をテーマとして、地域と学校が連携協働して行う取組に関する意見交換を行い、その内容を関係部局と共有したところ。
道としては、今後とも、関係部局と市町村が連携し、地学協働の取組などを通じて、地域創生や魅力ある学校づくりに取り組んでいく。
◆ICT支援員
Q広田議員 学校現場におけるICT支援員の配置が中央政府の配置目標の約18%にとどまっている。
デジタルを高く掲げる知事として、全国最低ランクのICT支援員の配置の現状についてどのように認識しているのか伺うとともに、この現状を道としてどのように改善していく考えか伺う。
A鈴木知事 ICT支援員の配置について。ICT支援員は、公立学校における教員のICT活用をサポートし、授業などをスムーズに行うために配置されるものであり、自治体によっては、必要なスキルを有する人材や財源の確保が難しいことなどから、本道では、国の目標の配置とはなっていない状況にある。
こうした中、道教委では、道内外のICT支援員の活用事例を市町村教委と情報共有するなど、教員のICT活用に関する支援に取り組むとともに、道立学校を対象に、専門事業者によるヘルプデスクを設置し、遠隔支援を行うほか、外部人材を活用したICT支援について検討を行っていると承知している。
道としては、国や大学、産業界等と連携し、デジタル人材の育成確保の取組を進めているところであり、こうした取組を通じて、道内の公立学校におけるICT支援員の配置につながるよう、道教委と連携し、取り組んでいく。
◆知事公館
Q広田議員 知事公邸・公館エリアの検討に際しては、近代美術館をより充実したものにする視点や目的を明確にした上で、サウンディング調査や道民ワークショップなど、様々な意見を聞きながら検討していくことが重要であると考える。
知事公館は、現在も見学可能だが、これまで耐震診断なども行われていない。
例えば、クリスタルなどの常設展示なども併せた保全と活用も考えられると思うが、知事公館の新たな活用検討の可能性についても知事の所見を伺う。
A山本総務部長兼北方領土対策本部長 知事公館・近代美術館エリアについて。道では、近代美術館のリニューアルに向けた検討状況なども踏まえて、道教委とも連携し、このエリアの魅力向上方策などについて検討を進めているところ。
登録有形文化財である知事公館は、適切に保全、維持しながら利活用していくことを検討しており、道民に関心を持っていただき、様々な意見をいただけるよう、近代美術館と連携した遊歩イベント等を開催した。
道としては、このエリアをこれまで以上に魅力あふれる文化、芸術、歴史の発信拠点として活用するため、今後とも、ワークショップの開催などを通じて、幅広く道民の意見を伺いながら、エリア全体の目指す姿やその実現に必要な機能などの検討を進め、来年度にも総合的な活用構想を策定できるよう取り組んでいく。
◆キャリア教育
Q滝口議員 道教委がキャリア教育の取組を推進している中にあって、以前は、卒業生の多くが専門知識・技能を生かした分野に就職していたが、近年では、専門学科を卒業して就職する者の割合は4割程度で推移しており、社会の急激な変化によって職業人として必要とされる専門的な知識や技能が拡大、高度化していることなどによって、産業社会が求めている知識、技能と専門学科での学習内容との間に乖離が生じていることを指摘されている。
職業学科においては、職業の多様化や、職業人として求められる知識、技術の高度化に対応した職業教育および高等教育との接続も視野に入れた将来設計のための指導の充実が必要であると考える。
これまでの就業体験活動では、熟練技能者の指導、実際の作業の体験などを中心に実施しているが、農業、林業、水産業では、生産から加工、販売の6次産業化が進んでいるので、地域や産業界と連携して、加工や販売の活動まで広げていくことで、専門的な知識、技能が身に付き、生徒にとってもより一層、体験した職業を理解し、実践的な就業体験活動になるものと考える。
こうした実践的な就業体験活動を全道に広め、キャリア教育の充実を図る必要があると考えるが、教育長の所見を伺う。
A倉本教育長 キャリア教育の充実について。道内の各高校では、インターンシップなどの体験的な学習活動を通じ、実社会や職業との関わりを持つことで、勤労観や職業観、規範意識、コミュニケーション能力等の育成を図っているところ。
このうち、職業学科を有する専門高校では、インターンシップのほか、校内外において、高度化する専門的な知識や技術に対応した実践的、体験的な学習活動に取り組んでおり、また、国の研究指定校では、企業等での実習と学校での講義などを組み合わせる、いわゆるデュアルシステムの取組を展開し、道教委は、その成果を全道の専門高校に情報発信するなどして、地域や産業界等と連携した就業体験活動を推進している。
今後は、こうした取組のさらなる充実に向け、就職指導実践事例集等に、地域や産業界と連携して、6次産業化を体験した好事例を掲載するなど、全道の高校に普及することによって、地域の持続的な成長をけん引し、絶えず進化する最先端の職業人の育成を進めていく。
◆高校総体の成果
Q滝口議員 36年ぶりの北海道開催となった全国高校総合体育大会について、道教委では、開催が決まった令和元年の前年から担当職員を配置し、3年度には担当部署である高校総体推進課を設置して、本格的に準備を進められ、高校生がおもてなしの心を持って大会運営や地域のPR活動に取り組んでいたものと思っている。
部活動が地域移行になることや不登校生徒が多いことなど、様々な教育環境を取り巻く課題がある中で、本来の学びの場の役割や地域と学校の新たなつながりといった観点でも、とても有意義な機会だったと感じている。
今大会の成果をどのように捉えているのか、教育長に伺う。
A倉本教育長 全国高校総合体育大会について。本道で36年ぶりの開催となったインターハイが、7月21日から32日間にわたって、道内19の市町において道内外から約3万6000人の選手、監督等が参加し、競技種目別大会が開催された。
山形県、栃木県など道外会場を含む各会場地市町においては、早期から実行委員会を設立し、高体連とも連携しながら、競技種目別大会の開催準備や選手の受入れ、競技の運営に多大なる尽力をいただき、深く感謝している。
また、大会に協賛いただいたスポンサー企業、団体の皆さまも含め、オール北海道で大会の成功に向けて取り組み、大きな事故なく大会を終えることができたことに関し、大会に関わった全ての皆さまにお礼を申し上げる。
大会を通じて延べ40万人が観客として競技会場に来場する中、全国の高校生が躍動する姿をご覧いただけたことは、本道の子どもたちに夢や希望を与えることとなるなど、大きな財産になったものと考えている。
今大会においては、大会のPR活動を担った高校生活動推進委員や、総合開会式に出演者や補助者として参加した高校生、競技種目別大会の運営に当たった高校生は、合計で約1万1000人に上り、全国から訪れた多くの方々を温かいおもてなしの心で迎えるなど、本道の高校生が大会成功の立て役者になったと考えている。
生徒たちには、この経験をぜひ、これからの人生の糧にし、豊かな未来につなげていただきたいと考えている。
◆ヒグマ対応
Q浅野議員 近年の被害状況に鑑みても、ヒグマ対策は、ヒグマの適切な個体管理やヒグマとの遭遇を避けることを重視した従来の取組に加え、実際に遭遇してしまったときにどのようにして命を守るのかを道民に幅広く伝えなくてはならない段階に入ったと考える。道は、この点に関し、どのように認識しているのか伺う。
A鈴木知事 ヒグマとの遭遇時の対応について。ヒグマとの事故を防ぐためには、一人ひとりがヒグマへの正しい知識を持つことが大切と考えており、道では、これまで、リーフレットやパネル展、ホームページなどを通じ、ヒグマに遭遇した際の適切な行動について周知を行ってきたところ。
道では、これまでの取組に加え、今後、ヒグマについての正しい知識をより分かりやすく手軽に学んでいただけるよう、新たにクイズ形式のウェブサイトを開設し、家庭や学校、職場のほか、アウトドア施設などに対して、このサイトの積極的な活用を促すこととしている。
道としては、今後とも、道民に対して、様々な機会を通じて、ヒグマに遭わないための行動や遭遇した際の適切な行動について、より一層の普及啓発に取り組み、人身事故の防止につなげていく。
Q浅野議員 ヒグマ遭遇時の対応方法を子どもたちの学習内容に含め、さらに保護者への啓発を図る考えはあるか、道教委の認識を伺う。
A倉本教育長 ヒグマによる事故の防止について。道内では、一部の学校において、児童生徒が、ヒグマの生態等について、総合的な学習の時間などで学習している事例があると承知している。
近年は、市街地を含め、道内の様々な場所でヒグマの出没の報告があることから、児童生徒がヒグマの生態を正しく知り、ヒグマに遭遇しないための行動を取ることや、万が一、遭遇した際に、自らの身を守る方策を身に付けておく必要があると考えている。
このため、道教委では、ヒグマの生態等を理解するため、環境生活部が作成をしたリーフレットを全ての学校に配布し、安全教育の指導において活用するよう働きかけるほか、本年度発行する道教委の広報誌「ほっとネット」にリーフレットやその内容を掲載するなど、保護者を含め、ヒグマに関する理解を促進する取組を進めていく。
Q浅野議員 子どもたちの登下校時に集中して通学路に音を出してヒグマを遠ざけるなど、ヒグマと遭遇しない方法を学校単位で行うことも重要と考える。今後どのように取り組むのか伺う。
A倉本教育長 登下校時の安全確保について。各学校においては、これまで、家庭や地域の関係機関と連携をし、児童生徒の登下校中の見守り活動を行うなど、通学路の安全確保に努めてきており、また、ヒグマが学校区付近に出没した情報があった場合は、市町村関係部局や地元警察、PTAなどと連携をし、通学路のパトロール体制や保護者への児童生徒の確実な引き渡しなど、必要な対策を講じてきた。
道教委としては、今後も引き続き、関係部局と連携しながら、市町村教委や学校に対し、ヒグマが出没した際の対応等について必要な情報を提供するとともに、ヒグマに遭遇しないための行動などに関する安全教育を推進し、児童生徒の登下校時における安全の確保が図られるよう取り組んでいく。
◆建設人材育成
Q浅野議員 9月8日、留萌市において第38回北海道建青会全道会員大会が開催された。
全道建青会会長として大会を主管した留萌建設協会二世会萌志会会長の堀口哲志氏は、人材確保が建設業の最大の課題とし、高校教育の魅力化やSNSの活用を通じた建設業の魅力発信による人材育成の在り方等について議論が交わさた。
道は、これまでにも、高校生を対象とした若手建設産業従事者との意見交換会やICT体験講習会などを開催し、建設業の魅力発信に努めてきている。さらなる人材の確保のためには、こうした活動を拡充していく必要があると考えるが、道の見解を伺う。
A白石建設部長 建設産業の担い手確保について。本道の建設産業は、就業者の高齢化や若年者の入職が進まず、厳しい状況が続いていることから、道では、これまで、地域の工業高校等において生徒と若手建設業就業者との意見交換会や、札幌市のチ・カ・ホで建設産業ふれあい展を開催するなど、建設産業の役割や魅力の発信に努めてきたところ。
また、本年度からは、建設産業ふれあい展を、札幌市に加え、複数の地方都市においても開催するほか、意見交換会の対象を普通科高校へ広げるなど、取組の拡充を図っているところ。
道としては、こうした取組のさらなる充実に向けて、引き続き、教育機関や関係団体などと密接に連携を図りながら、建設産業の担い手確保に努めていく。
Q浅野議員 急速な技術の進展によって社会が激しく変化している今日、これまでの文系、理系といった枠にとらわれず、様々な情報を活用しながら、それを統合し、課題の発見、解決等に結び付けていく資質・能力の育成を図る教育として注目されているSTEAM教育の中で、建設業が地域課題の解決や社会的価値の創造に大きく貢献できる産業であることを高校生に伝えることも重要であると考える。道教委の見解を伺う。
A倉本教育長 STEAM教育を通じた職業理解について。道内の高校では、総合的な探究の時間や課題研究の科目等において、教科等横断的な探究活動に取り組んでおり、生徒が地域の実態を踏まえて課題を設定し、地域の活性化や環境整備などの研究に取り組む中で、建設業の専門家などから課題解決に向けた助言を受け、建設業の社会的な意義や役割について理解を深めるなどの取組を行っている。
道教委としては、各教科での学習を実社会での問題発見・解決に生かしていく教科等横断的な教育を推進するSTEAM教育推進事業において、各地域や全道規模の成果発表会などを開催する中で、こうした建設業への理解を深める好事例を紹介することを通じ、生徒が様々な職業について意義を感じることができる機会を確保するなどし、本道における地域人材の担い手の育成に資する取組を推進していく。
Q浅野議員 高校生は、ネットリテラシーが高く、SNSで情報を収集する傾向が強いと言われている。
道は本年度から、北海道開発局と北海道建青会が主催する建設業の魅力発信動画コンテストを後援していると承知しているが、これに加え、ティックトック等、若者が好む媒体をより積極的に活用し、魅力発信に努めることも有効と考える。道の取組について伺う。
A白石建設部長 建設産業の魅力発信について。若年者の入職を進めるためには、建設産業の役割や魅力を広く知っていただくことが重要であり、道では、建設産業の仕事の内容や魅力などを若い世代に分かりやすく伝えるための動画を作成し、道のホームページに掲載するなど、情報発信に努めてきたところ。
SNSなど、若い世代が利用する多様なツールを通じて広く情報発信をしていくことは、より有効であると考えられることから、道としては本年度、新たにSNSアカウントを開設し、若い世代にとって身近で親しみやすい情報をタイムリーに発信するなど、建設産業のさらなるイメージアップに努めていく。
◆廃校舎利活用
Q浅野議員 道教委が公表している廃校校舎は現時点で7件ある。現時点でそれぞれの有効活用はどのようになっているのか、まず伺う。
A倉本教育長 廃校舎の有効活用について。道教委では、道立学校が廃校となった際には、道や市町村における利活用を検討し、その見込みがない場合、道教委のホームページなどを活用し、学校法人や企業など民間事業者の方に広く購入希望を募っている。
こうした中、現在、活用検討中の廃校舎は7件あるが、校舎本体については、一時的なイベント等に貸与している事例はあるものの、長期間にわたって貸与している実績はない。
なお、体育館については、地元自治体が指定する屋内避難所として貸与している事例や、道立高校の部活動に利用している事例があるほか、グラウンドについては、民間事業者による太陽光パネルを設置している事例などがある。
Q浅野議員 平成30年に閉校となった旧留萌高校について、留萌教育局と留萌市教委が、地元野球チームの力を借り、義務教育の部活動の地域移行を実証する研究を行う連携協定を結んだ。
地元野球チームに旧留萌高のグラウンドを利用してもらうことの引き換えに、市内中学校の野球部に所属する生徒などの練習の指導を担ってもらうものであり、遊休化した教育施設の利活用を進めたい道教委と、部活動の指導者を確保したい市教委、練習場所を確保したい地元チームの思いが一致した取組であり、他の遊休施設の利活用を進める上で、大いに参考にされるべき事例と考える。
道教委は、この実証研究をどのように進め、今後の遊休施設の利活用を進める上で、どのように生かしていく考えなのか伺う。
A倉本教育長 部活動の地域移行における廃校舎の活用について。国のガイドラインでは、移行後の地域クラブ活動の活動場所として、公共のスポーツ・文化施設や民間事業者が有する施設だけではなく、地域の学校や廃校舎も活用すること、都道府県および市町村は、地域クラブ活動を行う団体に対し、負担軽減や利用しやすい環境づくりを行うことなどが示されている。
このため、道教委では、部活動の地域移行に関し、好事例の創出や取組を促進することを目的として、留萌市教委や地元の少年野球協会と連携協定を締結し、旧留萌高のグラウンドを活動場所とする実証研究を行い、その取組の成果や課題を検証することとしているところ。
今後、実証研究に参加する少年野球の生徒やその保護者などにアンケート調査やヒアリングなどを実施し、そこで得られる課題等を整理した上で、実証研究の成果を全道に広く普及するなどして、円滑な地域移行や活動場所の確保を支援し、部活動の地域移行が一層進むよう取り組んでいく。
(道議会 2024-02-07付)
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