マイスター・ハイスクール運営委 自走可能な取組実施へ 厚岸翔洋高 成果など確認
(学校 2024-02-29付)

厚岸翔洋・マイスターハイスクール運営委員会
厚岸翔洋・マイスターハイスクール運営委員会

 【釧路発】道教委は14日、厚岸翔洋高校(山本十三校長)で第3回マイスター・ハイスクール運営委員会を開いた。事業2年目を迎え実践研究の成果や課題を報告したほか、事業終了後を見据えた自走可能な取組の実施に向けて意見を交わした。

 運営委員会は、事業2年目の取組について実践研究の成果と課題等のまとめ・検証・評価を行い、専門的見地から指導助言を行うもの。この日、蔵谷繁喜副委員長、運営委員を務める道教委の倉本博史教育長ら7人が参加したほか、取組の統括役を担うマイスター・ハイスクール事業推進委員会から和田雅昭CEOらが出席した。

 開会に当たり、運営委員会の委員長を務める若狭靖厚岸町長に代わり蔵谷副委員長があいさつ。事業終了後を見据えた自走可能な取組の推進に向けて忌憚のない意見を求めた。

 引き続き生徒発表を実施。第44回道高校水産クラブ研究発表大会で優良賞を受賞した生徒が「スマート水産業への取組~ドローンを活用した新たな漁業への道」と題して日頃の学びの成果を披露した。水産業に関わる人手不足等のマイナスイメージの解消のため、スマート水産業の推進を重要視した上で、実習などで活用した水中・空中ドローンの利点や欠点を説明した。

 また、実際の実習の様子を記録して、次年度以降の生徒に向けた事前レクチャー動画を空撮したことなど、スマート水産業に資する実践の数々を紹介した。

 このほか、カキを韓国風のり巻きのキンパに閉じ込めた「カキンパ!」などの開発商品3品を試食し、出席者は生徒の日頃の学習の成果を体感した。

 引き続き、山本校長が2年次の事業経過や成果と課題、定量的・定性的数値目標等を説明。事業概要に基づく各種取組を紹介するとともに生じた課題を整理した。また、定量的・定性的目標に関する生徒アンケート結果を提示し、数値から見える生徒の実態や変容の様子を説明し、結果を来年度の事業取組・学習活動に活用していくとした。

 今後の取組として、地域産業の持続的な成長をけん引する最先端の職業人の育成に向けて「水産資源・漁家経営・地域産業の持続化に向けた取組の充実」「事業成果の発信・普及」「学校設定科目“仮称・地域水産振興”の導入に向け科目内容の整理等」を行っていくとした。

 取組・各評価結果に対する検証評価、指導助言の場では、釧路総合振興局の木村英也局長が「スマート水産業の推進は担い手不足解消に向け大切な役割を果たす。来年度以降の生徒にどんなものを残せるか意識しながら事業に参加してほしい」と求めた。

 また、倉本教育長は「方向性が定まり準備が整ったのではないか。来年度はさらなる前進に向けチャレンジを積み重ねるとともに、事業終了後も持続可能な体制づくりを目指し他校への普及等に尽力を」と呼びかけた。

 このほか、和田CEOは「今後も厚岸らしい形で事業を推進していく上で自走化が鍵となる。一緒にたくさんチャレンジして失敗も糧に一緒に取組を進めていきたい」と述べた。

 山本校長は「研究を重ねるごとに難しさを感じる1年だったのではないか。ここからさらに一歩進んだ研究を達成していくとともに、取組を地域の方に広く周知する場面を設定することで生徒の達成感・やる気の向上につながると考えており、地域と連携して事業を推進していきたい」と話した。

(学校 2024-02-29付)

その他の記事( 学校)

モビリティとまちづくりWS 地域の未来像実現へ 自動運転の模擬体験等 帯広大空学園

大空学園モビリティワークショップ  【帯広発】帯広市立大空学園義務教育学校(村松正仁校長)は5年度、専門機関と連携して“モビリティ”とまちづくりをかけ合わせたワークショップを展開した。2月下旬、電動トラックや貨客混載バスなど...

(2024-03-11)  全て読む

最新技術 熱心に学ぶ 札幌工科で建設業出前講座

札幌工科建設業出前講座 札幌工科専門学校(三上敬司校長)で2月27日、建設業に関する出前講座が開かれた。主催は札幌建設業協会(岩田圭剛会長)。勇建設=(札幌、坂昭弘社長)工事部技術管理室の助野聡明室長がCIM等3...

(2024-03-08)  全て読む

道内4盲学校で魔法のプロジェクト ICTで共同演奏に挑戦 リズム合わせ力強い音色を

魔法のプロジェクト合同授業  障がいのある子どもたちの学習をICT機器を使って支援する「魔法のプロジェクト」の合同授業が5日、道内の盲学校4校で開かれた。中学部の生徒13人をオンラインでつなぎ、自分たちで考えたオリジナ...

(2024-03-07)  全て読む

総日数50日 現行継続 道教大附属函館小と函館中 休業管理規則案 冷房検討も

 【函館発】道教育大学附属函館小学校と附属函館中学校の休業管理規則案がまとまった。いずれも総日数50日を維持し、現行の夏季25日、冬季25日を継続する方向で調整に入った。エアコン設置について...

(2024-03-06)  全て読む

探究チャレンジ・ジャパン③ 小樽水産

探究チャレンジ表  小樽水産高校(亀山喜明校長)は、集めた情報を比較、分類、関連付けしたり、表やグラフにまとめたりして整理・分析し、論理的に概ね正しく結論を導いている学校が選ばれる「北海道大学賞」を受賞した。...

(2024-03-01)  全て読む

花火で学校祭に彩りを 津別高に津別建協が寄付金

津別高津別建設業協会寄付金贈呈  【網走発】津別高校(太田徹校長)で22日、地元の津別建設業協会(清水靖則会長)から同校生徒会への寄付金の贈呈式が行われた。清水会長は「学校祭の花火など生徒会の活動に充ててほしい」と話し、生...

(2024-02-28)  全て読む

勇気と感動を道民に センバツ出場で知事らに決意表明 北海高、別海高の野球部

春の甲子園知事訪問北海高  第96回選抜高校野球大会に北海道代表として出場する北海高校(秋山秀司校長)野球部と別海高校(織井恒校長)野球部が26日、道庁本庁舎を訪れ、鈴木直道知事と道教委の倉本博史教育長に出場報告と決...

(2024-02-28)  全て読む

日高道への寄せ書き再現 新冠小に記念ポスター寄贈

 【苫小牧発】新冠町立新冠小学校(下川徳久校長)は20日、「日高自動車道新冠町大狩部改良工事」を施工する岩田地崎建設㈱(札幌)とケイセイマサキ建設㈱(新冠)から日高道学習体験会記念ポスターを...

(2024-02-28)  全て読む

滝上濁川小 閉校式 夢、愛、力いっぱい 80年の伝統に思い寄せ

滝上町立濁川小閉校式  【網走発】滝上町立濁川小学校(藤田泰昭校長)の閉校式が18日、同校で執り行われた〓写真〓。在校生11人をはじめ、教職員、来賓らを合わせて約190人が出席。藤田校長は、80年の長きにわたって...

(2024-02-26)  全て読む

T―baseの春期講習 25日から8講座を配信 オンデマンド講習試行導入

 道高校遠隔授業配信センター(T―base、阿部穣センター長)は、5年度春期講習の配信日程をまとめた。3月25日を皮切りに3日間の日程で計8講座を配信。3月11日まで申し込みを受け付ける。 ...

(2024-02-26)  全て読む