道内4盲学校で魔法のプロジェクト ICTで共同演奏に挑戦 リズム合わせ力強い音色を(学校 2024-03-07付)
札幌視覚支援はカスタネットのリズム打ちを披露した
障がいのある子どもたちの学習をICT機器を使って支援する「魔法のプロジェクト」の合同授業が5日、道内の盲学校4校で開かれた。中学部の生徒13人をオンラインでつなぎ、自分たちで考えたオリジナルのリズムを他校と合わせて演奏するリズムアンサンブルを実施。生徒たちはカスタネットや太鼓などの楽器を駆使し、リズムを合わせながら美しく力強い音色を奏でた。
魔法のプロジェクトは、ICT機器を使って障がいのある子どもたちの学習・生活を支援する取組。ソフトバンク㈱と東京大学先端科学技術研究センターが共同で実施している。
道教委は、3年4月からソフトバンクと連携し、プロジェクトによる道内4盲学校(札幌視覚支援学校、函館盲学校、旭川盲学校、帯広盲学校)の支援を開始。視覚に障がいのある幼児児童生徒一人ひとりに応じた機器の活用法や、オンライン接続による対話的・協働的な学びの実践研究を進めてきた。
5年度は、子どもたち一人ひとりを対象とした従来の実践研究に加え、障がいのある子どもたちが将来自立して社会参加できるよう「インクルーシブ教育」をメインテーマに設定。「同世代の子どもたちと共に学ぶ際にどのようにICTを活用するか」について実践研究を進めている。
この日は、4校をオンラインでつなぎ、中学部の音楽「リズムアンサンブルをしよう」の授業を展開。札幌視覚支援から3人、函館盲から2人、旭川盲から7人、帯広盲から1人が参加した。
前時までに生徒たちは、それぞれ楽器を使って曲に合うリズムについて考え、演奏の練習を重ねてきた。
本時は、他校の発表を聴いて自分たちの演奏との違いを感じ、4校で音楽を合わせることの楽しさを感じ取ることなどをねらった。
はじめに、メトロノームのリズムに合わせて、自分たちで考えたリズム打ちを披露。旭川盲の生徒たちは、打楽器のウッドブロックや太鼓を使ってオリジナルのリズムを奏でた。
札幌視覚支援の生徒たちは、カスタネットを駆使し、長さを3等分するリズム「三連符」を披露。函館盲の生徒たちは、タンブリンと鈴を使った美しい音色を奏で、帯広盲の生徒は、バスドラムの力強い音を響かせた。
引き続き、複数の楽器を一緒に演奏するアンサンブルに挑戦。生徒たちは、オンライン上で他校と音を合わせるのに悪戦苦闘しながらも懸命にリズムを取りながら演奏した。
このあと、演奏風景を撮影した動画を視聴。生徒たちは、自分たちと他校の演奏の違いや他校の生徒とリズムアンサンブルする楽しさなどを感じ取った。
授業に参加した生徒たちからは「一人ひとり個性があっていいメロディーになった」「今後機会があったら、自分が好きな曲をみんなと一緒に演奏したい」「みんなで協力できて楽しかった」「また4校で演奏したい」など、合同授業に対して好意的な声が聞かれた。
(学校 2024-03-07付)
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