道教育大へき地教育国際講演会 日台へき地教育の可能性 台湾亜洲大・林准教授が講演(学校 2024-03-22付)
道教育大学へき地教育講演
道教育大学へき地・小規模校教育研究センターは8日、道教育大学へき地教育推進国際講演会をオンラインで開催した。台湾亜洲大学の林雍智准教授が「台湾から見た日本のへき地・小規模校教育の特徴と可能性」と題して講演。台湾が導入を進める「マルチグレード教育」や日台の教育制度の違いを解説し、両国へき地教育の可能性を説いた。
道教育大サテライトキャンパスを主会場に、全国各地の大学などから60人以上が参加した。
開会に当たり道教育大へき地小規模校教育研究センターの玉井康之センター長があいさつ。台湾における学校教育の指導的立場として活躍する林氏を紹介し、日台双方のへき地教育の発展につながるよう期待した。
続いて林准教授が講演。異年齢・異学年の児童生徒が共に学び合う授業をデザインする「マルチグレード教育」を紹介し、複数の教員による多元的な授業が個々の能力差に応じた指導、協働的な学び、学校の活性化につながっていることを伝えた。
日台の教員の勤務環境の違いも解説。台湾では異動がなく一つの学校に勤務し続けること、勤務地で給料の差も大きいことを伝えた。また「日本には長年にわたるへき地教育の蓄積があり非常に参考になる。へき地教育センターのように研究・普及を図る機関は重要」と指摘し、義務標準法による学級編制規定など日本の教育制度の特徴も伝えた。
今後、個別最適な学びや協働的な学びの一体的な充実を目指す日本の教育の改革が加速化すると予見。台湾のマルチグレード教育を踏まえ、学校のみならず教育の形態を選ぶことが教育の権利であるとし「日本ではGIGAスクール構想によってへき地教育の方法を再開発しており、これからの世界にふさわしい形態になることを期待している」と語り、デジタル教科書の活用やオンラインを活用した相互交流の一層の進展に期待を寄せた。
(学校 2024-03-22付)
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