CSオブザーバーにOBの高校生 子の思いを学校運営に 帯広大空学園 朝学習が発展(学校 2024-03-19付)
幅広い年齢層が集まる協議会
【帯広発】帯広市立大空学園義務教育学校(村松正仁校長)は、コミュニティ・スクール(CS)のオブザーバーに同校出身の高校生3人を迎えている。子どもの率直な思いを学校運営に反映しようと企画した。後輩の成長を思う高校生の声が実り、朝学習の取組が発展するなど、着実に成果が上がっている。村松校長は、幅広い世代による学校運営への関わりに「新たな取組の切り口につながれば」と期待を寄せる。
2月上旬に開かれた第3回CS運営協議会。委員を務める大人たちに混じって、高校生の姿があった。旧大空中学校を卒業し、市内高校に進学した高校2年生だ。
話題は、全国学力・学習状況調査の結果に。英語「書くこと」に課題があったことを受け、高校生の一人は「朝学習で小作文を書くことがあった。英語の小作文もあると、国語力や英語力の育成につながるのでは」と、自身の中学時代を振り返りながら発言した。高校生の意見をきっかけに、英語力向上や国際色豊かな学校づくりに向けて話題が広がった。
元年度、義務教育学校への4年度移行を見据えて、大空地区のCS協議会が立ち上がった。「地域と共に歩む」をコンセプトに、多様な団体、職種の地域人材が関わっている。
村松校長は、開校初年度の取組から「大人の視点で学校を見ることが多かった」「学年の幅が広く、子どもの思いを全てくみ取ることは難しい」と課題を感じたという。「子どもの率直な声を聞き、学校運営に生かしたい」と、卒業生をオブザーバーに招いた協議会実施を企画した。
選考に当たっては、小・中学校の記憶が色濃く残っていることや、心の距離や時間が離れていないことを踏まえ、旧大空中を卒業した市内の高校生を対象にした。
進学したばかりの1年生、進路活動に励む3年生の状況を考慮し、2年生を選定。協議会は夕方以降に開かれるため、本人と保護者、高校の承諾のもと、5年度の協議会から加えた。
高校生たちは「卒業しても母校に関わる機会を持ちたい」と参加を快諾。全3回の協議会に出席した。「中学時代の3年間はコロナ禍のさなか。当時の自分たちの思いを重ねて意見を出したい」「在籍する後輩たちのためになれば」と意欲的だ。
協議会の委員からは「子どもたちのリアルな声を聞くことができる」「卒業した子どもたちの成長を実感する場にもなった」と、好意的な意見が上がる。
村松校長は「鋭い意見もあり、今後の取組を考えるきっかけになっている」と手応えを口にする。実際、上がった意見を踏まえ、生徒会が朝学習に英作文を取り入れる活動を進めるなど、高校生の声が児童生徒の主体的な創意工夫を後押しする。「様々な年齢層、立場の人たちが多角的に意見を交え、新たな取組の切り口につながれば」と期待する。
6年度も同様に、高校2年生を協議会のオブザーバーに招く予定。高校も生徒も変え、より多様な意見を学校運営に反映していく考え。
十勝教育局の瀬越義範教育支援課長は「高校生の参加によって幅広い時間軸で学校を捉えることができる。より多様な年齢層の人たちが、学校を中心に同じ視点に立って意見を交わすことができるのでは」と、同校の取組を評価している。
(学校 2024-03-19付)
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