モビリティとまちづくりWS 地域の未来像実現へ 自動運転の模擬体験等 帯広大空学園(学校 2024-03-11付)
電動トラックの充電口にプラグを差し込む生徒
【帯広発】帯広市立大空学園義務教育学校(村松正仁校長)は5年度、専門機関と連携して“モビリティ”とまちづくりをかけ合わせたワークショップを展開した。2月下旬、電動トラックや貨客混載バスなど、地域課題に寄り添った車両の見学や、自動運転のシミュレーション体験などによって最新技術に触れた。最終日、生徒たちはモビリティーに地域の未来像を照らし合わせたアイデアを発表した。
大空地区は、生活に必要な商業施設等が近隣になく、交通手段が限られるなどの地域課題を抱え、自動車や公共交通、IT関連の事業を展開する企業等が、公共交通機関維持に向けた実証を重ねている。同校学校運営協議会委員の一人で、日野自動車㈱帯広分室の松山耕輔氏は地域の子どもたちを“将来の利用者”と捉え、ワークショップ企画を同校に提案した。
昨年12月から「モビリティとまちづくり」をテーマに据え、8・9年生を対象に始動。国土交通省によるモビリティ人材育成事業のもと、日野自動車や十勝バス㈱をはじめとする5社が協力した。
2月22日、利用者の要求に応えて運行する乗合型バス「おおぞライナー」や、車内後部で商品を販売する「マルシェバス」、物流と人流を融合した「貨客混載バス」、電動トラックの4車両が同校に集合した。いずれも、社会課題を踏まえ、機能を組み合わせることで新たな価値を創造・提供するモビリティサービス。
生徒たちはグループに分かれて各車両を見学した。協力企業が設備や機能等を説明。電動トラックにおいては、充電口が前方にあることを問い「荷物の持ち運びがあるため、後方や側面ではなく、前方のナンバープレート付近に設置されている」と解説を受けた。
校内に戻った生徒たちは「各車両の活用場面」を考察。車両見学を経て、高齢者や体が不自由な人などに焦点を当てる生徒が多く、「運ぶ人も運ばれる人も安全に利用することができる」「人や物を運ぶ時、混雑なく楽に運べる」などの声が上がった。
「地区内を自動運転で走行する際に考えられること」に関しては、凍結路面でのスリップや衝突、事故発生時の対応などを心配するコメントが上がった。
最終日の27日には、自動運転のシミュレーション体験を行い、生徒たちは「大空の未来像と、そのために始めること」をテーマにアイデアを発表した。
協力企業は6年度から、生徒たちのアイデアを踏まえ新たな実証に乗り出す。日野自動車帯広分室の松山氏は「考えが実現に至るプロセスを実感してほしい。現在のアイデアが当たり前になった将来、自分が関わっている喜びを感じてもらいたい」と話した。
(学校 2024-03-11付)
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