札幌市教委　端末年度更新作業簡素化へ　統合型ＩＤ管理を導入　校務支援システム　入力情報を自動で反映

（札幌市 2024-03-15付）

　札幌市教委は、１人１台端末の年度更新作業の簡素化に向け、８日から統合型ＩＤ管理システムを稼働した。校務支援システムに入力した児童生徒情報をもとに、グーグルなど各クラウドサービスのアカウント新規作成、更新などが自動で行われるもの。各学校で必要な作業が校務支援システムの更新のみとなり、教職員の業務負担軽減が実現する見通しだ。

　ＧＩＧＡスクール構想に伴い、札幌市では３年度から各学校に１人１台端末を導入。グーグル、まなびポケット、ミライシード、アドビエクスプレスなど様々なクラウドサービスを活用している。

　児童生徒の入学、卒業、進級などに伴い、各サービスのアカウントを新規作成、更新、削除する必要があり、年度末から年度始めにかけて各学校で更新作業を行っている。

　作業は、これまでサービスごとに個別に行う必要があったため、教職員の業務負担が大きくなっていた。市教委によると、更新作業が間に合わず、４月末まで児童生徒が端末を使えなかった学校が一部で見られたという。

　また、削除漏れによって放置されている卒業生のアカウントもあり、セキュリティー上の課題となっている。

　このため、教職員の負担軽減、セキュリティレベルの向上を目的に統合型ＩＤ管理システムを導入した。校務支援システム上の児童生徒情報を連携させ、各サービスのアカウント作成に必要な情報を流すもの。

　　これによって、新入生の新規アカウント作成、進級に伴うアカウント情報（学年、学級、出席番号など）の更新、卒業生のアカウント削除が自動化される。各学校で必要な作業は、校務支援システムにおける児童生徒情報の更新のみとなる。

　また、システムの導入によって小・中学校９年間で同一アカウントを利用できるようになった。児童生徒が作成したデータなどは全て引き継がれる。

　統合型ＩＤ管理システムは８日から稼働しており、各学校では校務支援システム上の名簿確認作業を行っている。２６日からアカウントの自動登録が始まり、新年度の４月９日以降、新たなアカウントでの端末利用が可能となる。

　教職員のアカウント登録は４月以降に実施する予定。

(札幌市 2024-03-15付)