札幌市教委　６年度学ぶ力育成プラン　個々の主体性大切に　課題探究学習、自治的活動柱に

（札幌市 2024-03-18付）

　札幌市教委は、６年度「学ぶ力」の育成プランを策定した。「課題探究的な学習」「自治的な活動」を２本柱として、多様な人との協働を通して相互承認の感度を磨き、子ども一人ひとりの主体性を大切にした多様な学びを推進する方針だ。

　市教委は、平成２６年度から子どもの「学ぶ力」の育成に向けた総合的な計画として同プランを策定。学校での学びの質を高め、家庭・地域と一体となって「学ぶ力」を育むことを目指し取組を進めている。

　５年度全国学力・学習状況調査、市全体の共通指標「学習などについてのアンケート」「ＩＣＴの活用についてのアンケート」の結果などを踏まえ、６年度のプランをまとめた。

　昨年１２月の幼小中高合同教育課程研究協議会で、「学ぶ力」をさっぽろっ子に育みたい共通の資質・能力として再定義し、学校教育全般を通して育成していくとの方針を示したことを踏まえ、内容を大幅に改訂した。

　方向性を「多様な人との協働を通して相互承認の感度を磨き、子ども一人ひとりの主体性を大切にした多様な学びを推進する」とし、取組の柱に①課題探究的な学習②自治的な活動―の２点を掲げた。

　①については、経済協力開発機構（ＯＥＣＤ）が発表した「ラーニングコンパス２０３０」で示された「ＡＡＲサイクル」の視点を取り入れ、子ども自らが「見通し（Ａ）」を持ち「行動（Ａ）」し「振り返り（Ｒ）」を行うという学習プロセスを重視。一つ一つの学びをつなげ、積み上げていく学習を推進していく。

　見通しを持つ場面を「イントロダクション」、行動する場面を「個別探究」「協働探究」、振り返りを「リフレクション」と位置付けている。四つの段階による単元・題材構成を行うことで、子ども一人ひとりを大切にした多様な学びを実現し「学ぶ力」の育成を目指す。

　②については、６年度に開催する予定の「さっぽろっ子サミット」などの活動を通して、子ども同士、家庭・地域など多様な人との協働を図り、相互承認の感度を磨く取組を充実させていく。

　各学校は今後、プランの内容を踏まえて「学ぶ力」育成プログラムを作成し、課題の改善に向けた具体的な取組を推進する。

(札幌市 2024-03-18付)