医療的ケア外部委託検証事業　３事業で支援策検証　道教委　校外学習の夜間支援など

（道・道教委 2024-03-22付）

　道教委は６年度、特別支援学校における医療的ケア実施のための外部委託検証事業に着手する。訪問看護事業所等に外部委託し「在校時の支援」「宿泊を伴う校外学習における夜間支援」「通学時の支援」の三つの検証事業を実施。明らかになった課題と改善策を整理して実践事例をまとめ、医療的ケア児の教育的ニーズに応じた支援の充実や家族の一層の負担軽減を図っていく。

　全道的に看護師不足が見込まれる中、医療的ケア児が通学する学校が増加しており、今後地域によって看護師の雇用がすぐにできない状況が想定される。登下校や修学旅行などの夜間帯にも医療的ケア児が保護者の付き添いなしに学校生活を送ることができるよう支援体制を拡充していくことが求められている。

　このため道教委は６年度、特別支援学校における医療的ケア実施のための外部委託検証事業に着手。事業期間は単年度で①在校時の支援②宿泊を伴う校外学習における夜間支援③通学時の支援―の三つの事業を検証する。

　在校時の支援では、新たに医療的ケア看護職員を配置して学校の医療的ケアを開始する学校や高度な医療的ケアを必要とする児童生徒が転入学する学校も含め、新たな体制整備が必要な特別支援学校を１校指定する。４～９月の間、医療的ケアの実施を事業所に一部外部委託し、特別支援学校の看護師が担っている業務のうち、外部委託が可能な範囲などを検証する。

　校外学習における夜間の支援では、現在保護者に依頼している宿泊研修や修学旅行の夜間帯のケアについて、外部委託による看護師派遣を行い、旅行当日をはじめ、計画段階からの準備や連携の在り方を検証する。参加児童生徒の医療的ケアの内容、宿泊先、学校の体制等を勘案し、検証を行う学校を１校指定する。

　通学時の支援では、保護者の自家用車で登校している医療的ケア児を看護師が同乗して支援する際の看護師を外部委託する。北海道の状況を踏まえ、積雪がある冬季期間時期を予定しており、対象者から３人を設定してそれぞれ８回分、通学支援を行う。モデル校の選定は地域性なども考慮し、新年度から進めていく予定。

　事業終了後、道教委の医療的ケア実施のためのハンドブックに検証結果を反映させ、各特別支援学校で参考にしてもらうほか、外部委託の看護師による体制整備を基本とした市町村教委や市町村立学校にも参考となるよう広く周知し、各地域における医療的ケアの充実の促進に資する検証を進める。

(道・道教委 2024-03-22付)