道研と道教委幹部が意見交換 研究機関機能の充実を 喫緊の教育課題対応に期待
(道・道教委 2024-03-26付)

道研と道教委幹部が意見交換
シンクタンク機能などをテーマに議論した

 道立教育研究所は22日、ホテルポールスター札幌で5年度事業報告会および次年度事業構想説明会を開き、倉本博史教育長ら道教委幹部と意見を交わした。道研が構想しているシンクタンク機能などをテーマに意見交換。機能発揮に向けて必要となる人材や、研究成果のさらなる普及・活用などについて議論した。倉本教育長は、通常学級に在籍する特別な支援を必要とする児童生徒への支援の在り方や広域分散型・少子化に対応した新たな授業スタイルの構築、日本語指導が必要な外国人への対応などを課題に挙げ、本道教育の一層の充実に資する調査研究の推進を求めた。

 道研は6年度、プロジェクト研究のさらなる充実に向け、シンクタンク機能の発揮を構想。小・中・高校、特別支援学校、市町村教委、道研連所属の研究所など道内の教育関係者から実態把握に努め、研究成果の普及・還元を目指す。

 本庁の施策との関連を図るため、本庁幹部との仮称・教育研究推進会議開催を検討。具体的な研究テーマの検討においては、本庁課長補佐級と道研研究主幹らで構成するワーキンググループを適宜開催する。

 大学等との連携に関わっては、道教育大学や北海道文教大学などを交えた仮称・教育政策研究会を設置。プロジェクト研究の成果を広く道内に発信するため、7年3月に仮称・教育研究フォーラムを開催。現段階では、シンポジウムなどの形式を検討しており、教育関係者や学校における研究成果のさらなる活用に向けた意見交換の場を設ける。

 この日の会合では、中澤美明所長ら道研幹部が5年度事業報告や6年度事業構想を説明したあと、倉本教育長、北村英則教育部長、伊賀治康総務政策局長、川端香代子学校教育局長の道教委幹部と意見交換した。

 川端局長は、各教育局とのさらなる連携強化・ニーズ把握の重要性を指摘した。伊賀局長は、シンクタンク機能の発揮に向けた本庁との連携強化を歓迎する一方で、機能発揮に当たって必要とする人材を確認。中澤所長は「大学等との連携を進める上で、今後はよりコーディネーターとしての人材が必要だ」と訴えた。

 北村部長は、道研の優れた研究成果を広く周知する必要性を強調。中澤所長は、発信力の一層の強化に向けて各地に足を運んで普及することの重要性を示し「一方的に発信するのではなく、双方向のコミュニケーションを図りたい」と述べた。

 倉本教育長は、通常学級に在籍する特別な支援を必要とする児童生徒への支援の在り方が喫緊の課題だとの認識を示し「道立特別支援教育センターとの連携を検討する必要があるのでは」と指摘。研究成果を交流するなど、より具体的な取組の推進を求めた。

 また、道研に対する期待として、広域分散社会にあって少子化が加速する本道における、新たな授業スタイルの構築を要請。ICTを活用した遠隔授業と集団性の良さを担保した授業モデルなどを例に「国への補助を要望する場合、新たな授業スタイルを構築する上の実証とするため、児童生徒の実態を踏まえた根拠が必要だ」と説いた。

 日本語指導が必要な外国人への対応も課題と強調。ラピダス社の千歳進出や外国人技能実習制度によって、特定地域や郡部での需要が高まることを想定した対応とともに、国際理解教育の充実にも期待を寄せた。

(道・道教委 2024-03-26付)

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